🤣日経平均55,000円シナリオと高市総理に期待する円相場・原油・首班指名リスクを中立検証

熱気を帯びる局面こそ、冷静にデータを見たいところです。足元のデータを静かに並べて全体像を確かめたいものです。2025年10月20日現在、日経平均株価は4万9千円台目前まで上昇し、「明日(10月21日)の首班指名で高市早苗氏が首相に選出されれば、5万円台突入もあり得る」との見方が広がっています。

一方で、為替は151円前後と夏場の急伸ほどの勢いはなく、WTI原油は約68ドルと安値圏にとどまっています。これら複数の要因が絡み合い、株高を支える一方で、相場の上下バランスを見極める材料にもなっています。期待が先行する場面だからこそ、今の株価水準、為替・原油の影響、そして年末相場のシナリオを落ち着いて整理しておきましょう。

😍高市総理観測と株高の現在地

情報の整理から始めます。10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出され、10月21日の首班指名選挙で就任が「ほぼ確定」との見方が広がっています。市場はこれを織り込み、日経平均は前週末比で大幅高、終値ベースで約4万9,185円。先週終値から1,603円上昇し、最高値を更新しました。

背景には、積極財政・成長投資を掲げる高市総理への期待があり、防衛・宇宙・核融合などの政策テーマが買いの柱に。野村證券やみずほ系の見通しでは、2025年末に4万9千〜5万2千円レンジを予想しており、期待先行のムードは確かです。とはいえ、上げ幅1,600円超という足の速さは、短期的な過熱と利益確定の芽も同時に生みます。

🤔円相場の足取り

為替は151円台前半。夏場の152円台に比べ勢いが鈍く、「円安が進んでいない」との実感も理解できます。米FRBの段階的利下げで日米金利差の拡大が鈍化し、日銀は植田総裁が「機が熟した」と発言したように、物価や賃金動向を踏まえた慎重な利上げ判断を探る段階に入っています。この“差の縮小”がドル買い・円売りのエンジンを弱めていると整理されています。

さらに、財務省・日銀のけん制(いわゆる口先介入)で155円近辺が意識され、投機的な円売りがブレーキ。10月末の日銀会合(29〜30日)も控え、思惑と警戒が綱引きするところです。株高と違い、為替は政策の“微差”に反応します。年末に向けて140円台に定着するのか、151〜155円のレンジに留まるのか?

😷原油安と株・為替に映る二面性

原油(WTI)は約68ドル。日本はエネルギー輸入依存度が高いため、原油安は輸入額の抑制を通じて貿易収支の改善を促し、円の下支え要因になります。他方で、輸入コスト低下は内需・小売・運輸などのコスト構造を改善し、株式市場にはプラス。つまり、原油安は「円安の加速を抑えつつ、株高を支える」二面性があるという整理です。

もちろん、原油安が世界需要の弱さを示す局面では“リスクオフの円買い”が同時に起きることもあります。足元では、サナエノミクス期待(株高)と政策警戒(円の踏みとどまり)に、原油安が穏やかに寄与している状況です。

😁年末55,000円は射程か?

年末5万円というハードルを「通過点」とする声もあり、「円が140円台なら5万5千円も視野」と整理されています。前提の点検として、
(1)為替が140〜145円帯で安定(急激な円安・円高のどちらも回避)、
(2)日銀が10月会合で追加利上げを見送り、緩和的なスタンスを維持、
(3)高市政権の補正(20〜30兆円規模観測)や投資加速が12月までに具体化、
(4)米株の高値圏維持
このあたりが鍵でしょう。

一方、PER16〜17倍相当の5万5千円は、EPSの二桁成長を前提にすれば説明可能ですが、政策進捗と決算トレンドの裏付けが必要です。テクニカル面では5万円台定着後の“押し目管理”が要点。

😵下振れリスクは?

短期の最大リスクは二つ。第一に、首班指名での“まさかの逆転負け”。確率は低いものの、万一の波乱なら日経平均はショック安の恐れがあります。第二に、連立相手の日本維新の会サイドのスキャンダル顕在化です。これは可能性が高く、ゴシップ誌がネタを準備していることでしょう。

政治とカネの問題が浮上することは想定しやすい一方、報道の扱いによって市場への影響は変わるでしょう。地方や国会レベルでの不祥事報道が連鎖すれば、組閣・予算編成の遅延や政策の腰折れに直結します。

加えて、10月末の日銀会合でのサプライズ利上げ、米中摩擦の再燃、米政権の関税方針など外部ショックも波乱要因。上値追いの場面ほど、こうした「政治×金融」のクロスリスクを頭の片隅に置きたいところです。

🤪“高市銘柄”と過熱の往復

テーマとしては、防衛(例:三菱重工、IHI)、宇宙、核融合、AI・半導体周辺などが“高市銘柄”として意識されやすいとされています。政策の方向性が明確な分、資金は集まりやすい一方、イベントドリブンでの往復にも注意が必要です。

補正の中身や規制緩和の具体化時期、入札・実証のロードマップが株価の“先回り”を是正するタイミングになり得ます。輸出主力(自動車・電機)は、円が140円台に定着するシナリオなら収益のマイナスは限定的との評価もある一方、急激な円高には脆弱です。

原油安で内需の一角(小売・運送・化学)に相対的な妙味が出る場面もあるでしょう。

😴まとめ:期待と警戒の同居を前提に

全体像を振り返ると、株高のドライバーは「高市総理誕生観測×積極財政期待」、為替は「政策警戒×原油安の円下支え」で足取りは穏やか、という構図です。年末5万5千円は、為替が140円台に落ち着き、10月末の日銀会合が無風、補正・成長投資が年内に具体化するなら射程に入ります。

一方、下振れは「首班指名の波乱」「連立パートナーのスキャンダル」「対外ショック」。過熱と調整の往復を前提に、マイルストーンごとに前提条件を点検する運用が現実的ではないでしょうか。

最後に改めて問います。あなたは(1)首班指名通過の確度、(2)10月末の日銀、(3)補正規模と工程、(4)為替のレンジ——どの順番で重みづけしますか?その優先順位こそが、年末に向けたあなたのシナリオを規定するはずです。相場の波を前に、どのように立ち位置を取りますか?

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