「日経VIが40を超えた。だから週明けは暴落する。」そんな刺激的な解説がネットや動画で広がっています。本当にそうなのでしょうか。確かに日経VI40という数字は、相場がかなり大きな値動きを警戒している状態を示しています。
しかし、それだけで「暴落確定」「下降トレンド入り」と断定するのは、少し話が飛びすぎているかもしれません。日経VIは日経225オプション価格から計算される30日先の予想ボラティリティであり、相場の方向ではなく「どれくらい大きく動きそうか」という変動の大きさを示す指標です。
つまりVIが高いというのは、市場が不安定で値動きが荒くなる可能性を警戒しているだけで、必ず下落するという意味ではありません。現在の相場には、中東情勢や原油価格といった不安要素がある一方、日本株には政策期待やテーマ株といったプラス材料もあります。
したがって来週の相場は「暴落か安定か」という単純な二択ではなく、高ボラティリティの中で調整が続くのか、それとも反発のきっかけが出るのかを見極める局面と考える方が現実的でしょう。
😮日経VI40超えは何を意味するのか
日経VIが40を超える状態は平常ではなく、市場が大きな変動を警戒していることを示します。そのため週明けに大きく上下する可能性は十分あります。ただし注意すべきは、日経VIの上昇は原因ではなく結果だという点です。市場に不安材料があるからVIが上がるのであって、VIが上がったから相場が下がるわけではありません。
過去の相場でもVIやVIXが急騰した局面は急落と重なりますが、その後は比較的早く戻るケースも多くありました。レバレッジ解消などによるパニック売りが一巡すると反発が起きやすいためです。したがってVI40だけを理由に売り一色と考えるより、不安材料が今後さらに悪化するのか落ち着くのかを見る方が重要です。
🤔「恐怖指数」という呼び名は本当に正しいのか
ここで一つ整理しておきたいのが、そもそも日経VIやVIXを「恐怖指数」と呼ぶのは本当に正確なのかという点です。実際には、VIは市場の恐怖そのものを測っているわけではありません。計算の仕組みはシンプルで、日経225オプションの価格から「今後30日間の予想ボラティリティ(予想変動率)」を逆算したものです。つまり本質は変動の大きさの期待値であり、上がるか下がるかという方向を示しているわけではありません。
ではなぜ「恐怖指数」と呼ばれるのでしょうか。株価が急落すると、下落に備えるプットオプションの需要が急増し、結果としてボラティリティが急上昇する傾向があるためです。この動きから「株が下がるとVIXが上がる=恐怖」というイメージが広まりました。
したがってVIが上昇したからといって「必ず下落する」と考えるのは少し乱暴で、単に相場が荒れやすい状態に入っていると理解する方が自然でしょう。つまりVIは恐怖そのものではなく、「相場がどれだけ荒れると市場が予想しているか」を示す指標と考える方が実態に近いと言えます。
😫来週の本当の焦点はイラン情勢と原油価格
今回の相場を動かしている中心は中東情勢です。日本企業の業績が突然変化したわけではなく、地政学リスクがボラティリティを押し上げています。特に重要なのはイラン情勢の長期化と原油価格です。
もし緊張が拡大し原油高が続けば、日本はエネルギー輸入国のため企業コストやインフレ懸念が高まり株式市場の重しになります。一方で緊張緩和のニュースが出れば、織り込みすぎたリスクが一気に巻き戻される可能性もあります。
相場は最悪シナリオを織り込むと、実際にそこまで悪化しなかっただけで反発することが多いからです。つまり来週の鍵はVIではなく、中東リスクと原油動向がどう変化するかです。
🤑日経はここ2か月で上がりすぎだったという視点
今回の下げを考える際に重要なのは、日経平均がこの2か月でかなり急上昇していた点です。昨年末は約5万円前後でしたが、今年に入り6万円近くまで上昇しました。約20%の上昇はかなり速いペースです。高市政権への政策期待や選挙結果、防衛投資などの材料はありましたが、S&P500が横ばいの中で日経だけが急騰したため過熱感が生まれていました。
このため調整が入ること自体は不自然ではありません。急騰の後に押しが入るのは相場ではよくある流れです。仮に5万円まで下げたとしても昨年末の水準です。ここ数日の短期的な下げをただちに相場崩壊と見るより、今年に入って上がりすぎた反動の調整局面と考える方が自然でしょう。
😊狙いは日本株の強いカテゴリ
指数だけを見ると弱気になりがちですが、相場ではセクターごとに強弱が分かれます。今回の場合、防衛・重工・安全保障関連は比較的強さを保ちやすい分野です。地政学リスクが高まるほど防衛需要や供給網再編の思惑が強まり、関連銘柄には資金が向かいやすくなります。また日本では防衛政策や安全保障のテーマが続いており、全面安になりにくい構造もあります。
軍事マーケットの開放は経済成長に貢献することが期待できます。もちろん原油高などで指数全体は重くなる可能性がありますが、「日経平均が下がる」と「日本株がすべて弱い」は同じではありません。来週も指数以上に銘柄ごとの強弱がはっきり出る展開になる可能性があります。
😱ナイトセッション1500円下げ=暴落という話は本当か
某YouTuberの動画を見ましたが、「日経225の終値からナイトセッションで1500円下げた。だから週明け寄り付きで暴落する」という予測でした。ただ、この話は少し冷静に考える必要があります。
日経225先物のナイトセッションは夕方から翌朝まで取引されており、NY市場が動いている時間とほぼ重なります。つまり、夜の間にNYが下げれば日本の先物も下がるし、逆にNYが戻せば先物も戻る。数百円から1000円以上の変動は珍しいことではありません。
実際、最近のナイトセッションでも300円、800円、1000円以上といった値動きは頻繁に起きています。地政学リスクや原油価格のニュースが出ている局面では、1500円前後の上下も特別な数字とは言えません。したがって「ナイトで1500円下げたから週明け暴落」というのは、かなり単純化された説明です。
😏ナイトセッションの値動きと日経VIは別の指標
さらに重要なのは、この話は日経VIとも直接関係がないという点です。VIはオプション価格から算出される30日先の予想ボラティリティであり、ナイトセッションの一時的な値動きを説明する指標ではありません。夜間の値動きは主にNY株、原油、為替など外部市場の影響を受けます。つまり、週明けの寄り付きがどうなるかは、ナイトの一時的な下げだけでは決まりません。
相場では、ナイトで大きく下げても寄り付きで戻すこともあれば、逆にさらに下げることもあります。結局のところ、NYの終値やニュースの内容によって変わるため、「1500円下げ=暴落確定」というロジックはかなり乱暴です。こうした煽りは視聴者の関心を引くには分かりやすいですが、実際の相場の仕組みとは少し距離があります。
😆週明けの急落余地はあるが、即下降トレンド断定は早い
来週の現実的なシナリオとしては、まず週明けの荒い値動きは十分あり得ます。日経VIが高く外部環境も不安定なため、ギャップダウンや5%前後の下振れがあっても不思議ではありません。ただしそれだけで下降トレンド入りと断定するのは早いでしょう。
今回の下げは企業業績の急悪化ではなく、主に地政学リスクと原油高懸念が原因だからです。これらはニュース次第で変化します。したがって来週は「下がるか上がるか」よりも、下げの原因が拡大しているのか、それとも織り込みが進んでいるのかを見る週になる可能性が高いと言えます。イラク情勢、原油価格、トランプ大統領の行動などをチェックすることが重要でしょう。
😁この局面でトレーダーはどうするか?
この局面では全面強気や全面弱気よりも、リスクを認めた分散対応が現実的でしょう。短期的な下げ余地は確かにあります。日経VIが高い以上、ボラティリティは高い状態が続くことになり、値幅は大きくなりやすいからです。
しかし過熱修正の側面が強いなら、段階的な押し目買いを検討する余地もあります。VIが35、30と落ち着いてくるタイミングで段階的に押し目を入れていく、という戦略が現実的でしょう。
重要なのは一度に結論を出さないことです。下がったら、全資金と投入などという無謀なトレードはせずに、ニュースと価格の反応を見ながら徐々に資金を調整していくというようなスタンスの方が今の相場には無理がありません。投資はギャンブルではありませんので、資金を数%づつ増やしていくことを狙っていきましょう。
😭VIXと恐怖はイメージだけの話
日経VI40超えだけを理由に「暴落確定」「下降トレンド入り」と断定するのはやや単純です。VIはあくまで不確実性の高さを示す指標であり、方向そのものを決めるものではありません。下降トレンドの可能性があるとすれば、その理由は中東情勢の長期化や原油高の継続です。
一方で、日本株はここ2か月で急騰しており調整自体は自然です。したがって来週の見方としては、短期の荒れはあり得るが長期下落を断定する段階ではない、というのが最も現実的でしょう。状況を見ながら押し目を分散して考えるくらいの距離感が、今の相場には合っているように思えます。
現実的に第三次世界大戦というような可能性は極めて低く、アメリカの強さを見せつけた状態で誰が米軍に立ち向かうのか?というところでしょう。多くの国はトランプに逆らえないと感じているところがむしろ不安のポイントではないでしょうか?
日本にとって追い風ともいえる部分もあり、悲観的な言葉で不安をあおるような手法も多くありますが、冷静に信じられる情報を精査して、無理のないトレードを心掛けたいところです。皆さんは、恐怖指数に恐怖を感じますか?










