ガソリン価格は「原油価格だけ」で決まっているわけではありません。
実際には
- 原油の仕入れ価格
- 精製コスト
- 流通コスト
- ガソリン税・消費税などの税金
が含まれています。
一般的に、原油関連コスト(仕入れ+精製)が店頭価格に占める割合は60〜70%程度と言われています。残りは税金や流通コストなど比較的固定的な部分です。
ガソリンには税金がかなり多く含まれています。揮発油税(53.8円)と石油石炭税(2.8円)で約56円、さらに消費税もかかるため、実質的に価格の約4割近くが税金です。加えて、廃止されたガソリン税の暫定税率(約25.1円)がありったころには、税率は40%以上でした。税負担が大きいこと自体が、原油高の影響をそのまま店頭価格に転嫁しない“緩衝材”として働く面もあります。
例えば店頭価格が150円の場合、本体価格はおよそ95円程度になります。
そのため、原油価格が倍になったとしても、ガソリン価格がそのまま倍になるわけではありません。
例えば原油価格が、60ドル → 120ドル へ倍増した場合を考えてみます。
専門機関(野村総研など)の試算では「原油30%上昇 → ガソリン25〜30%上昇」程度が目安とされています。
仮に原油が倍になったとしても、ガソリン価格の上昇は「50〜70%程度」にとどまるケースが多いとされています。
具体的には、ガソリン150円の水準で原油が倍増した場合、店頭価格は、210〜230円程度が一つの目安になります。
テレビなどで時々見かける「350円」といった極端な数字は、税金や流通コストを無視した単純計算であるケースが多く、専門家の現実的な試算では240円前後が上限に近い水準とされています。
つまり、原油価格の上昇とガソリン価格は完全に連動しているわけではありません。
税金の比率が高い日本の価格構造は、ある意味で原油高のショックを一部吸収する「バッファー」としても機能しています。
もちろん、現在のように中東情勢やホルムズ海峡のリスクが強まれば、200円を超える可能性は十分あります。
ただし「原油が上がった=すぐ300円台」というような極端な話になるケースはかなり限られます。
センセーショナルな数字の方が注目を集めやすいという事情もあるでしょう。
一部のYouTuberならまだしも、公共放送まで極端に煽るような数字だけを強調する報道姿勢には、少し疑問を感じるところです。


