来週は、米国の物価動向を中心に、中国や英国、ユーロ圏の経済指標が発表されます。
特に注目したいのは、11月10日の米国CPIと、13日の米国PPIです。物価の動きはFRBの金融政策や利下げ見通しに影響するため、ドル円やゴールドの値動きを考えるうえでも重要な材料になります。
今回は、来週の重要イベントを7つに絞って紹介します。
📅 来週の重要経済指標一覧
対象期間:2026年11月9日(月)~11月13日(金)
11月9日(月)
🇨🇳 10:30 中国・消費者物価指数 CPI/生産者物価指数 PPI ★★★
🇯🇵 14:00 日本・景気動向指数(先行・一致) ★★
11月10日(火)
🇺🇸 22:30 米国・消費者物価指数 CPI ★★★
11月12日(木)
🇬🇧 16:00 英国・第3四半期 GDP速報値 ★★★
🇺🇸 22:30 米国・新規失業保険申請件数 ★★
11月13日(金)
🇪🇺 19:00 ユーロ圏・第3四半期 GDP改定値 ★★
🇺🇸 22:30 米国・生産者物価指数 PPI ★★★
※発表時刻はすべて日本時間です。
※米国は11月1日から冬時間です。
※重要度は市場への影響を考慮した独自評価です。

🇨🇳 ① 中国・10月 CPI/PPI 📊 中国経済の回復度合いに注目
概要: CPIは消費者が購入する商品やサービスの価格、PPIは企業が販売する商品などの生産者価格を測定します。中国国内の消費需要と製造業の価格動向を確認する指標です。
発表日時: 2026年11月9日(月)10:30(日本時間)
前回値:
- CPI前年比:0.9%
- PPI前年比:5.0%
市場予想:
- CPI前年比:0.8%
- PPI前年比:5.3%
- 📈 予想を上回る場合: 消費や企業活動の回復が意識され、中国経済への期待から人民元の支援材料になる可能性があります。資源需要への期待から豪ドルなどにも波及する可能性があります。
- 📉 予想を下回る場合: 内需の弱さやデフレ懸念が意識され、中国経済への警戒感が強まる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: CPIとPPIの両方を確認し、消費と製造業の回復が伴っているのかが注目点です。

🇯🇵 ② 日本・9月 景気動向指数 📊 国内景気の先行きを確認
概要: 景気動向指数は、複数の経済指標を組み合わせて景気の現状や先行きを判断する指標です。先行指数は今後の景気、一致指数は現在の景気動向を示します。
発表日時: 2026年11月9日(月)14:00(日本時間)
前回値:
- 先行指数:118.0
- 一致指数:118.8
市場予想:
- 先行指数:116.5
- 一致指数:119.4
- 📈 予想を上回る場合: 景気の底堅さが意識され、円の支援材料になる可能性があります。
- 📉 予想を下回る場合: 景気減速への懸念から、日銀の金融政策正常化が遅れるとの見方につながり、円の重荷になる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: 先行指数と一致指数の方向が一致しているか、景気の先行きと現状の両方を確認します。

🇺🇸 ③ 米国・10月 消費者物価指数 CPI 🔥 ドルとゴールドの重要イベント
概要: CPIは米国の消費者が購入する商品やサービスの価格変動を測る指標です。FRBの金融政策を判断するうえで重要な物価指標となります。
発表日時: 2026年11月10日(火)22:30(日本時間)
前回値:
- 総合CPI前月比:+0.6%
- コアCPI前月比:+0.3%
市場予想:
総合CPI前月比:+0.3%
コアCPI前月比:+0.2%
- 📈 予想を上回る場合: インフレの根強さが意識され、FRBの利下げ観測が後退する可能性があります。米国金利が上昇しやすくなり、ドル高要因となります。金利上昇とドル高はゴールドの重荷になる可能性があります。
- 📉 予想を下回る場合: インフレ鈍化への期待から利下げ観測が強まり、米国金利の低下やドル安につながる可能性があります。ゴールドには支援材料となる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: コアCPIや住居費などの内訳、発表後の米国債利回りの反応が重要です。

🇬🇧 ④ 英国・第3四半期 GDP速報値 📊 ポンドの方向性を左右する景気指標
概要: GDPは国内で生産された商品やサービスの付加価値を合計したもので、英国経済全体の成長率を示します。
発表日時: 2026年11月12日(木)16:00(日本時間)
前回値: 前期比 +0.5%
市場予想: 前期比 +0.7%
- 📈 予想を上回る場合: 英国経済の底堅さが意識され、イングランド銀行の利下げ観測が後退する可能性があります。ポンドの支援材料となる可能性があります。
- 📉 予想を下回る場合: 景気減速への懸念から利下げ観測が強まり、ポンドの重荷になる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: サービス業や製造業など、どの分野が経済成長を支えているのかも注目点です。

🇺🇸 ⑤ 米国・新規失業保険申請件数 📉 雇用環境の変化を確認
概要: 新規失業保険申請件数は、失業して新たに失業保険を申請した人の数です。米国の雇用環境を週単位で確認できます。
発表日時: 2026年11月12日(木)22:30(日本時間)
前回値: 18.9万件
市場予想: 19.5万件
- 📈 申請件数が予想を上回る場合: 雇用環境の悪化が意識され、FRBの利下げ観測が強まる可能性があります。ドルの重荷となる場合があります。
- 📉 申請件数が予想を下回る場合: 雇用の底堅さが意識され、利下げ観測が後退する可能性があります。ドルの支援材料となる場合があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: 継続受給者数や過去数週間の推移も確認し、雇用環境の変化を判断します。

🇪🇺 ⑥ ユーロ圏・第3四半期 GDP改定値 📊 ユーロ圏の景気動向
概要: ユーロ圏全体の経済成長率を示す指標です。ECBの金融政策やユーロの方向性を考える材料になります。
発表日時: 2026年11月13日(金)19:00(日本時間)
前回値: 前期比 +0.4%
市場予想: 前期比 +0.4%
- 📈 予想を上回る場合: 景気の底堅さが意識され、ECBの利下げ観測が後退する可能性があります。ユーロの支援材料となる可能性があります。
- 📉 予想を下回る場合: 景気減速への懸念から利下げ観測が強まり、ユーロの重荷になる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: 速報値からの修正幅や主要国の経済動向を確認します。

🇺🇸 ⑦ 米国・10月 生産者物価指数 PPI 🔥 企業側のインフレ圧力に注目
概要: PPIは企業が販売する商品やサービスの価格変動を測る指標です。消費者側のCPIとは異なり、企業側の物価動向を確認できます。
発表日時: 2026年11月13日(金)22:30(日本時間)
前回値:
- 総合PPI前月比:+1.3%
- コアPPI前月比:+0.7%
市場予想:
- 総合PPI前月比:+0.4%
- コアPPI前月比:+0.3%
- 📈 予想を上回る場合: 企業段階のインフレ圧力が意識され、将来的な消費者物価への波及懸念からFRBの利下げ観測が後退する可能性があります。ドル高要因となり、ゴールドの重荷になる場合があります。
- 📉 予想を下回る場合: 企業段階の物価圧力が弱まっているとの見方から、インフレ鈍化期待が強まり、ドル安要因となる可能性があります。
- ➡️ 予想どおりの場合: コアPPIやサービス価格などの内訳を確認します。企業の価格上昇が必ず消費者価格に転嫁されるわけではありません。

📝 おさらいと今後
来週の最大の注目材料は、米国のCPIとPPIです。
CPIで消費者側の物価を確認し、PPIで企業側の物価を確認することで、米国のインフレ動向を多角的に判断できます。

両方の指標が予想以上に強ければ、FRBの利下げ観測が後退し、米国金利上昇・ドル高・ゴールド安というシナリオが考えられます。反対に弱い結果が続けば、利下げ期待からドル安・ゴールド高につながる可能性があります。
ただし、市場は事前予想を織り込んでいるため、結果だけでなく発表後の米国金利や為替の反応も確認していきましょう。

