🤣FX:金メダリスト水谷隼さんが語るFXスワップ400万円は、本当に“成功例”なのか?

2025年7月、元卓球日本代表・水谷隼さんが「FXスワップで約400万円の利益を得た」と語り、注目を集めました。でも、その裏側には“見たくない現実”も潜んでいるかもしれません。

もし自分が同じ場面に立たされたら、どう動くのが“プロっぽい判断”なのか。話題性のあるストーリーではありますが、その実態を冷静に見つめると、一般投資家が参考にすべき内容とは言い難く、むしろリスク管理の観点から“反面教師”として扱うべき事例とも言えるのかもしれませんね。深く掘ってきましょう。

😂 ニュースのさわり:スワップで約400万円、その舞台裏

卓球の元金メダリスト水谷隼さんが、ドル円のロングを約1カ月〜1カ月半ほど保有して、スワップだけで約400万円の受け取りがあった──そんな話題がありました。

価格の流れはこうです。148円付近まで上がったあと、下落して142円あたりまで沈む局面があり、その間ずっと保有。やがて反発して145円前後まで戻って決済……というストーリー。

ここでのポイントは「スワップは日々もらえるけれど、価格が逆行すると含み損が膨らむ」という二面性。さあ、あなたならこの“二面性”、どう料理します?

😜 145円でロング、142円まで下落──評価損はいくら?

仮に145円で買って142円まで落ちたとしましょう。差は3円。1万通貨なら3万円の含み損、10万通貨なら30万円、100万通貨なら300万円、1000万通貨なら3000万円。

スワップで日々チャリンチャリンでも、値動きの3円逆行は重いですよね。ここで問いたいのは、“スワップ狙い”でも「価格リスクは現役バリバリ」だという事実。

スワップは“利息”、でも相場は“荒波”。利息の舟は、波でひっくり返ることがある──このイメージ、伝わりますか?

🤪 国内25倍レバなら証拠金はいくら?ざっくり指で数える

国内FXの最大レバレッジは25倍。ドル円150円近辺を仮に採ると、1万通貨(=1ロット相当)の名目は約150万円。必要証拠金は名目の1/25で約6万円。

10万通貨で約60万円、100万通貨で約600万円、1000万通貨なら約6000万円。桁が跳ね上がりますよね。

スワップで400万円を1カ月そこらで、となれば、現実的には“相当なロット”と“相応の証拠金余力”が前提になります。あなたの口座、いま何万通貨に耐えられます?

🤔 スワップの皮算用:1万通貨で1日150円なら…

たとえば高金利差の時期、1万通貨で1日150円の付与があると仮定しましょう。30日で4500円。では400万円を30日で達成するには? 4000000 ÷ 4500 ≒ 約889(=万通貨)。およそ889万通貨です。名目は約150円×889万=約13.3億円。

25倍レバなら必要証拠金はその1/25、ざっくり約5300万円。ここでようやく「数字のスケール感」が浮き上がります。

日次のスワップ額が下がれば、必要ロットはさらに膨らむ。──どうでしょう、この重さ、肌で感じますか?

😵 「8%の利益」と「50%の含み損」──釣り合っている?

1.5カ月で+400万円は、証拠金5300万円に対して約+8%。表面利回りは悪くないように見えますよね。でも最安値142円に突っ込んだ時の潜在含み損は、ロットによっては数千万円規模、証拠金比で−50%前後に達し得ます。

リターン8%を得るために、−50%を背負う設計……あなたなら、このリスクリワードにYesを出せますか? 「いや、それは割が合わない」と感じたら、すでに“良い投資家の目”になっています。

😟 もし、139円までズルっと

仮に145円エントリーが139円までズルッと6円落ちたら──1万通貨で6万円、100万通貨で600万円、1000万通貨で6000万円の含み損。証拠金維持率は急降下、業者のロスカット水準(多くは維持率100%付近)に近づきます。

スワップは毎日もらえるけれど、価格の急落は“1日で数カ月分のスワップ”を食い潰します。スワップ戦略は「穏やかな海でこそ輝く」って、腑に落ちませんか?

😠 「損切りできなかった勝ち」は、次の大負けの種

142円まで落ちても耐えたから勝てた──結果だけ見ればそう。でも“損切り不能の成功体験”は、次の相場で牙をむきます。「また戻るはず」で深みにハマる、あのパターン。

プロが大事にするのは“プロセスの健全性”。ルール通り切れた損は、次のチャンスで取り返せる。切れなかった利は、次の退場の伏線になり得ます。

😴 ナンピンは敵か味方か──鍵は“設計”

資金に余裕があり、1円刻みなどで分割、かつ撤退ラインを明確に──この三拍子が揃えば、ナンピンは平均取得を下げる“味方”になり得ます。ただし設計なきナンピンは「重ねたロットが落下速度を早めるアンカー」。

もしこうだったら? 140円、139円、138円……買い下がりながら、総ロットは雪だるま。最後はメンタルも証拠金も凍てつく。ナンピンの合言葉は“計画・間隔・撤退”。覚えておきませんか。

😷 キャリーとトレンド、どっちに合わせる?

スワップ(キャリー)を狙うなら、理想は「上昇トレンドでロング、下落トレンドは休む」。でも実際は、「もらえるから」と逆風の中を突き進みがち。

そこで提案。まずは“トレンド判定”を先に置きません? 移動平均の傾き、価格の位置、出来高の勢い。追い風のときだけ帆を張り、無風や逆風なら港で待つ。キャリーは“風に乗る時のブースター”。ブースター単体で大気圏は突破できません。

😵 もし、価格が戻らず横ばい

戻らない、でも下がらない。横ばいで時間だけが過ぎる。スワップは積み上がるけど、機会費用は嵩むし、資金は拘束される。他のチャンスに乗り換える柔軟性も下がる。

ここで効くのは“時間ストップ”。「○週間戻らなければ撤退」「○円幅のボックスが続けば縮小」。価格ストップだけが損切りじゃない。時間にも刃を持たせる──どうでしょう、試してみませんか。

😵‍ “あるある”:勝ちの記憶、負けの設計

人は「助かった勝ち」を武勇伝にしがち。でも武勇伝は、次の敗戦の種になることも。大事なのは“負けの設計”。切るときは切る。縮めるときは縮める。逃げるときは逃げる。これができると、武勇伝は“武具”に変わります。あなたの武具、磨き直しておきませんか?

今回の話は、エンタメ的には最高。でも投資の教材としては、「こういう環境・規模・運の巡り合わせで、たまたま成立した」ケース。学べるのは“危ない橋の渡り方”じゃなくて、“そもそも渡らない判断”“渡るなら命綱の結び方”。この視点転換こそが、長く相場で生き残る秘訣です。

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