ベネズエラで中国訪問団との会談が行われた直後に、なぜ米国は軍事行動に踏み切ったのでしょうか。トランプ大統領はこれまで「習近平とは良い関係だ」と繰り返してきましたが、2026年初頭、中国の影響力が色濃く及ぶベネズエラで米国は軍事行動を実行しました。
しかも、その時期は中国側の動きとほぼ重なっています。その直後に、あえて「関係は良好だ」と語るトランプ大統領。言葉では融和を装いながら、行動では中国の覇権を牽制するという、トランプ流のディールなのでしょう。
🤔中国の覇権が伸びていたベネズエラの舞台裏
ベネズエラは近年、中国にとって重要な国でした。原油の主要供給先であり、過去には数百億ドル規模の融資やインフラ支援が行われ、中国は経済面だけでなく政治的にも深く関与してきました。中南米における中国の存在感を象徴する国が、まさにベネズエラとなってきていました。
米国から見れば、自国の勢力圏と考えてきた地域で、中国の覇権が明確に伸びている場所でもありました。そのベネズエラで、米国は軍事行動という最も分かりやすい手段を選びました。表向きは麻薬や統治の問題が理由とされましたが、場所の選択自体が、中国への強いメッセージになっています。
😵中国のメンツは丸つぶれの軍事行動
注目すべきはタイミングです。米国の作戦が実行される直前、ベネズエラには中国の高官級代表団が入り、マドゥロ政権との関係強化を確認していました。中国にとっては、支援と連携を内外に示す重要な場面だったと言えます。その直後に行われた米国の軍事行動は、偶然と見るにはあまりに出来過ぎています。
中国側の存在感が示された直後に、それを上書きする形で軍事力を投入する。この流れは、「ここは誰の影響圏なのか」を明確に示す行為でした。中国の師団が実際に前線に展開していたかどうか以上に、「中国が深く関与している場所で、米国は構わず動く」という事実そのものが重要です。
😟軍事作戦後に「習近平とは仲が良い」と言えるトランプ
さらに象徴的なのが、作戦後のトランプの発言です。軍事行動によって中国の面子を大きく潰した直後にもかかわらず、トランプは記者会見で「習近平とは良い関係だ」と平然と言い切りました。これは矛盾ではありません。トランプ外交では、言葉と行動を意図的に切り離すことで、相手の出方を縛ります。
中国を名指しで敵視しない一方で、最も痛い場所では一切の遠慮なく動く。そのうえで「関係は良好だ」と言われれば、中国側は対応に困惑するところ。アメリカの行動には問題提起をしても、直接トランプに何かを言える状態ではありません。まさに、表では融和、裏では力という構図です。これがトランプの仕掛ける国家レベルのディールというものなのでしょう。
😴習近平の怒りはどこへ向かうのか?
ベネズエラで起きた一連の出来事を整理すると、その目的は比較的明確です。単に一国の政権運営を問題視したのではなく、中国の影響力が拡大している地域において、それを実力で遮断する意思を示す。そのうえで、あえて融和的な言葉を重ねるという構図です。
日本のメディアでは、トランプと習近平は融和姿勢にあると報じられてきましたが、現実には水面下で極めて激しい主導権争いが続いているように見えます。「金を出せばトランプは折れる」といった見方もありますが、少なくとも国家戦略の中核部分において、容易に妥協するタイプとは考えにくいでしょう。
それでも正面衝突は避けたい。だからこそ、ベネズエラのような場所を選び、行動で示しつつ、言葉では対立を和らげる。結果として、「G2」や「米中融和」という枠組みを前提にしてきた見方は、大きく修正を迫られることになりました。
習近平にとっては不快な展開でしょうが、現時点で有効な報復手段は限られており、強硬に出にくい状況に置かれているのが実情ではないでしょうか。



