
お名前.comの不正アクセス問題では、GMOが利用者への補償を発表した後も、対応が次々と追加されています。被害に遭ったトレーダーにとっては、ありがたい話ですよね。
SNSでは、複数のFX業者が損失を補填したという利用者の報告が話題になっています。一方で、補填されなかったという投稿も見受けられ、対応にはばらつきがあるようです。
しかし、大きな損失を出している人が多数いるのに、GMOは早々に損害補償を発表できるのでしょうか?また、FX業者はなぜ、自社に直接の責任がない不正取引の損失まで補填するのでしょうか?
業者の利益の仕組みについて、少し考えてみましょう。

😂損失を補填しても、業者は痛くない?
FX業者の取引方式には、顧客の注文を外部市場などでカバーする方式と、業者内部で処理する方式があります。一般にAブック、Bブックと呼ばれるものです。実際には両方を組み合わせる業者もあります。
Bブックでは、顧客の損失が業者の利益につながる場合があります。もし今回の損失の多くが、注文と決済を繰り返した際のスプレッド(売値と買値の差)などによるものなら、業者側の収益構造によっては、補填の負担が比較的小さく済む可能性も考えられます。

もちろん、すべての損失が業者の利益になるわけではありません。外部でカバーしていれば、その分の損益やコストも発生します。
それでも、顧客の損失を補填して悪評を防げるなら、業者にとっても合理的な判断なのかもしれません。
補填が早いからBブックだ、とまでは言えませんが、FXの仕組みを考えると、少し複雑な気持ちになりますね。

🤔GMOの補償拡大にも、光と闇?
GMOは、一律5,000円のお見舞金と、不正取引による実現損失の補償を発表。さらに、情報を公開された利用者への特別お見舞金も発表されました。公開された情報の区分に応じた支払いで、上限は300万円という新たな措置です。
ただ、そもそもの原因はセキュリティ対策の不備による不正アクセスです。これほどの問題を起こしたことを考えると、被害者への補償だけで十分な対応と言えるのか、疑問も残ります。
また、FX業者の内情を知っていれば、ある程度の補償はされるだろうと想像することはできます。

GMOも、ブローカーがどの程度補填するのか、最終的な損失がどれくらいになるのか、ある程度の見通しを持っていたのかもしれません。だからこそ、比較的早い段階で補償方針を打ち出せた、と考えることもできます。
もちろん、実際にどこまで見通せていたのかは分かりません。ただ、これほど大きなセキュリティ上の問題を起こしながら、補償を次々と発表できる余裕があるのを見ると、業界の事情を知っていれば分かることもあるのかな、などと思ってしまいます。

🤔補償の光、その裏側にあるもの
補償が広がることは、被害者にとって明るいニュースです。積極的に対応する業者も評価したいところです。しかし、その対応だけで業者の取引方式や収益構造までは分かりません。
今回の件は、ハッカーが悪いのはもちろんですが、これほどの被害を許したGMOのセキュリティ対策にも大きな問題があった、と見るのが妥当でしょう。

被害者への補償が手厚くなったからといって、最初のセキュリティ対策まで立派だったことにはなりません。
被害者にお金が戻るという「光」がある一方、FXの仕組みを知るほど、何とも言えない「闇」も見えてくる。トレーダーとしては、補償の有無だけでなく、利用する業者の仕組みも理解しておきたいところですね。

