最近、xAIがリリースした最新AIモデル「Grok4」が注目を集めています。世界で最も高度な知性を備えていると称されるこのモデルは、果たしてどの程度の能力を持っているのでしょうか。特に、ITの知識がない方でもSNSやブログにユニークなアイデアを投稿する事例が増える中で、そのような「隠れた名作」をGrok4が見つけ出せるのかを検証するため、実際に直接質問を行いました。今回は、その対話をもとにGrok4の特徴や、埋もれた情報を発見できる可能性について、ブログ形式でご紹介します。
Grok 4とはどのようなAIか
まず、Grok4の基本的な特徴をご説明します。xAIが開発したGrok4は、Grok3の進化版であり、以下のような特長を備えています。
- 高度な推論能力:科学的・論理的な問題解決が得意で、複雑な物理学や抽象的なタスク(ARC-AGIベンチマークなど)において高いスコアを記録。
- マルチモーダル対応:テキストのみならず、画像や音声の処理も可能。画像からのアイデア分析や長文ドキュメントの要約も行える。
- 256kトークンのコンテキスト保持:非常に長い会話や文脈を保持できる(Grok3の2倍)。
- リアルタイム検索:ウェブやXの投稿をリアルタイムで監視し、トレンドやユーザー感情を分析。
- 特別な機能:「Grok Think」(深い洞察モード)や「Grok Voice」(自然な会話)など、独自のツールを搭載。
これほど高性能なGrok4でも、インターネット上に埋もれた情報を自ら発見できるのか。それとも、誰かが共有して話題になるまで気づけないのか。この疑問をGrok4にぶつけてみました。
質問:「Grok4は検索に強いが、埋もれた情報も発見できるのか」
まず、Grok4の得意分野について尋ねたところ、次のような回答がありました。
Grok4はリアルタイムウェブ検索やXの投稿分析を得意としており、トレンドや人気のある情報を迅速に把握できます。特にDeepSearchモードを使用すれば、通常の検索結果の上位に表示されない情報も掘り起こせる可能性があります。ただし、検索エンジンやXのアルゴリズムに依存する部分が多いため、フォロワー数が少なく、いいねが付いていないようなマイナーな投稿を発見するのは現状では難しいです。
つまり、Grok4はGoogleやXの検索結果を基盤として情報を収集しているため、SEOやエンゲージメント(いいねやリツイート)の影響を受けやすいということです。したがって、IT知識がまったくない方が優れたアイデアをブログやXに投稿しても、それが話題にならない限り、Grok4が見つけ出すのは難しい可能性があります。
深掘り:「人間による拡散は不可欠か」
さらに、「例えば、IT知識がない方が非常に有用な情報をXやブログに投稿した場合、Grok4はそれを自ら発見して評価できるのか。それとも、誰かがシェアして話題にならなければ難しいのか」と尋ねました。
Grok4の回答は現実的でした。
現時点では、拡散されていない投稿を見つけることは難しいです。検索エンジンやXのアルゴリズムは、ビュー数やシェア数などの「人気指標」を優先するため、埋もれた投稿はインデックスされにくい傾向があります。ただし、ユーザーがその投稿のリンクやスクリーンショットを直接提供してくだされば、拡散されていなくても内容を詳細に分析し、有用性を評価できます。また、DeepSearchモードで具体的な検索クエリを指定すれば、マイナーな情報にもアクセスできる可能性があります。
可能性を探る:「拡散前に見つける方法はあるのか」
続けて、「人間の拡散を待たずに埋もれた有用な情報を見つける方法はあるのか」と質問しました。
理論的には、DeepSearchモードやマルチモーダル分析を活用すれば、マイナーな情報にもアクセス可能です。例えば、ユーザーが『新しいアプリのアイデアを探して』と具体的に指示すれば、DeepSearchが通常の検索上位以外も探索し、隠れた投稿を発見できる確率が上がります。また、#TechIdeaのようなハッシュタグが付いていれば、Xのリアルタイムモニタリングで検出される可能性もあります。そして、ユーザーが直接リンクを提供してくだされば、拡散ゼロの状態でも正確に内容を評価できます。
まとめ:AI検索のこれから
現状では、Grok4が完全に自動で埋もれた情報を発見することは難しいものの、ユーザーからのリンク提供や具体的な指示によって、その有用性を正確に評価できます。DeepSearchモードやハッシュタグの活用により、発見の可能性を高めることも可能です。将来的には、AIが自発的に隠れた情報を探索し、フォロワーゼロの投稿であってもその価値を見出せるようになる可能性があります。
Grok 4の検索は、XをベースにSNS中心の結果が多く、トレンドを反映した内容になっていると感じます。実際の利用においては、既存の検索エンジンと比べても有用性が高く、Grokでネット検索を行う利用者は増加していると考えられます。特定のサイトを直接探す指名検索は別として、Google検索の使用頻度は大きく減少しています。今後はさらにAIによる検索が主流になる可能性が高いでしょう。
編集後記
AIを使った検索では、ユーザーの文脈や熟練度に応じて最適な情報を見つけられるよう、さらなる進化を期待したいところです。例えば、料理に慣れた方がレシピを探す行為と、初心者が同じ目的で検索する行為では、求める情報の意味合いも大きく異なります。
その情報のなかに、パソコンに不慣れな高齢の方が手書きで残した、驚くほど簡単でおいしいレシピがあったとしても、検索結果に現れないのは残念です。いわゆる広告費を投じたSEOや、YouTuberが有名人とコラボレーションするといった可視化手段に依存するのではなく、AIの能力を生かして、個々人にとって本当に有用といえる情報を導き出してくれる存在になってほしいと考えています。