こんにちは。日本の明日を決める総裁選で候補者が出そろいました。9月20日、本命候補のひとりと目される小泉進次郎氏がついに会見に臨みました。華やかなイメージを持つ進次郎氏ですが、その演説の実像はどうだったのでしょうか?
「解党的出直し」という大きな言葉の裏側に何が語られ、そして何が語られなかったのか──。この会見の内容を振り返りながら、対立候補の高市氏との違いや父小泉純一郎氏の助言を踏まえて、その矛盾や課題を見ていきましょう。
🤔小泉進次郎氏の会見:台本と継承
9月20日、小泉進次郎氏が自民党総裁選への出馬を正式に表明しました。冒頭で掲げたのは「解党的出直し」というフレーズ。しかし、その演説内容は総合的で、経済・外交・防衛の分野にわたりながらも具体的な新機軸は少なく、台本を淡々と読み上げた印象が残りました。
むしろ繰り返し強調されたのは「石破路線を継承する」という言葉。岸田政権から石破政権へと続く流れをそのまま引き継ぐ姿勢を明確にしました。演説の時間も僅か20分ほどで質疑応答に入るなど、短く感じられた方も多かったのではないでしょうか?
😥訪日6000万人/観光消費15兆円
現状から約2,300万人の上積みを目指すと明言し、観光インフラ整備やオーバーツーリズム対策の検討にも言及しました。ただし、この政策は安倍政権期に掲げられた方針の継承であり、足元では混雑や違法白タク、無許可民泊などの課題が顕在化しています。
拡大一辺倒ではなく、地域の受け入れ容量に応じた上限設定や観光税・宿泊税、民泊規制の運用強化など、規制と受け入れ環境の両面整備を優先すべきだとする指摘もあります。適切な対応をせずに拡大を進めれば、観光地と地域住民の摩擦を生み、日本人だけでなく在住外国人にとっても暮らしにくい環境を招く恐れがあるでしょう。
😁平均賃金100万円増
演説では発言がありませんでしたが、平均賃金100万円増という質問が記者からでました。:2023年度の419万円から、2030年度に515万円とする試算をもとに「7年で約100万円増加」を掲げました。
ただしこれは実質賃金1%上昇と日銀の物価目標2%を前提にした机上の計算に過ぎず、独自のビジョンというより石破政権の目標を踏襲した形でした。この質問に答えていた時は、資料を見ながら、説明をするなど、ご自身が考えたものでは無い政策であることが分かります。
😉防災庁の設置
2026年度に防災庁を創設し、国が主導する災害対応体制を強化すると明言。首都直下型地震や南海トラフ地震に備える姿勢を示しました。
さらに、外国人による不法就労や不動産取得の透明化、外国人問題の司令塔機能強化、ストーカー対策など治安維持策も語られました。いずれも石破路線を強く意識した内容であり、防災庁構想も石破氏の発案を引き継ぐものとみられます。
😵「自民党の再生」と石破路線継承の矛盾
小泉氏は会見で「自民党は国民から遠ざかり信頼を失った」と危機感を示し、2009年の野党時代を例に「再生」「出直し」を訴えました。政治資金問題や物価高対応の不十分さを認め、党をまとめ直し世代交代で新しい自民党を作ると強調しました。しかし同時に、石破政権の経済目標、防災庁設立、日韓関係改善、与野党対話などの主要政策を継承すると表明。
演説や質疑でも路線の大幅な変更はなく、刷新を訴えながら現状維持にとどまる姿勢が際立ちました。選挙惨敗で国民が変化を望む中、既存路線の踏襲は矛盾した印象を与える内容となりました。
😁比較:高市氏との違い
一騎打ちと目される高市早苗氏が「危機を希望に変える」「Japan is back」と信念を前面に出したのに対し、小泉氏は石破路線の継承を繰り返しました。高市氏が安倍イズムを継承するリーダー像を描いたのに比べ、小泉氏の発言は規定路線の踏襲にとどまり独自性は乏しく映りました。
例えば、米価安定のためのセーフティネット構築や大規模化・スマート農業推進と同時に棚田や家族経営を守る姿勢を示し、農林水産物の輸出を2030年度に1.5兆円から5兆円へ拡大する目標を掲げた点などは評価できます。しかし高市氏はスマート農業の具体的な事例にまで踏み込み、実用化への取り組みを語っていた点で一歩踏み込んだ印象を与えました。
😌父・純一郎氏からの助言とこれから
小泉進次郎氏の出馬会見は「解党的出直し」と掲げつつ、実際には石破路線の継承を繰り返す場となりました。高市氏が信念と具体性を示したのに比べると、独自色は乏しく既存路線の踏襲が目立ちます。昨年の総裁選では、父である小泉純一郎元首相は「まだ40代では早すぎる。50歳を過ぎてから考えればいい。誰かを応援した方がいい」と助言したと報じられています。首相となり政策を実現させた父の言葉には重みがあり、進次郎氏を心配する親としてのアドバイスでしょう。
現時点において、経験の差がありますので当然と言えば当然ですが、高市氏との差が大きいことに異論を唱える人はいないでしょう。今の進次郎氏に必要なことはおだてられて、神輿に乗せられることではなく、信頼できる仲間と神輿を担ぐ経験を重ね、その先に総裁選を目指す方が正しい選択ではないでしょうか?皆さんはどう考えますか?