秋風が吹き始めると、どこか市場も落ち着かない気配を漂わせます。2025年9月22日に告示された自民党総裁選。昨年は「石破ショック」と呼ばれる急落を経験した投資家にとって、今年は“進次郎ショック”があるのではないかという声が広がっています。
高市早苗氏と小泉進次郎氏の対決構図、その結末が株式市場にどんな波を起こすのか。今回は「進次郎ショックに備えよ」というテーマで整理してみましょう。
😂 去年の石破ショック—期待と現実のギャップ
2024年の総裁選直後、日経平均は800円超下げる「石破ショック」に見舞われました。積極財政を期待していた市場にとって、財政再建色の強い石破路線はサプライズだったのです。
失望売りが先行したものの、実際には数日で落ち着きを取り戻し、長期的なトレンドを変えるほどのインパクトではありませんでした。こうした“ギャップ”の反動こそ、市場が最も敏感に反応するポイントなのです。
😁 今年は進次郎ショックの番か?
今年は小泉進次郎氏の出馬によって「進次郎ショック」という言葉がSNS上で飛び交っています。彼の掲げる「5年で平均賃金100万円増」や農協改革といったスローガンは長期的な改革志向として評価できる一方、市場は“財政緊縮寄り”と受け取りがち。
短期的には株安・円高の揺り戻しが懸念されます。まるで昨年の“石破ショック”の再現か? そんな思いを抱く投資家も少なくないでしょう。
🤔 高市シナリオで安堵感
対照的に、高市早苗氏の勝利は市場に安堵をもたらすと考えられています。
積極財政・成長戦略を掲げ、アベノミクスの延長として投資家にわかりやすいメッセージ。すでに織り込みが進んでいるため、現在も株高が続いていますので、このままの状態であれば、投票当時も上昇幅は限定的かもしれませんが、もし劣勢と見られた状況からの逆転勝利なら、大きな安心感となり株価の急伸に繋がるでしょう。
😵 小泉シナリオ—短期ショックに注意
小泉氏が勝利した場合、進次郎ショックが現実のものとなる可能性は高いです。昨年同様、短期的には売りが先行し株価が500~800円下げる展開もあり得ます。ただし、石破ショックが一時的であったように、この下落も数日で落ち着く公算が大きい。
長期では改革期待が市場に評価される余地も残りますが、直後のボラティリティは避けられません。投資家としては、初動の値動きにどう向き合うかが勝負どころです。
😟 過度なポジショントークに流されない
選挙情勢は、マスメディアの報道と実際の結果がズレることも少なくありません。また、SNSには強い言葉が並びます。「進次郎ショック確定」「高市一択」……。けれど、相場は“確定”を好みません。
良いニュースにも、悪いニュースにも、中立であることは、優柔不断ではなく“生存戦略”。演説や討論は一次情報、価格は市場の集約値、海外メディアは俯瞰。三つ巴で確認すると、ノイズは薄まります。特に海外は、経済影響の翻訳が早いのが強み。SNS“熱”も必要ですが、最後は“数字”で整える——そんな手順を、ルーティンにしてみては。
😴 投開票当日(10月4日)の備え
初動シナリオを用意しておきましょう。高市勝利/小泉勝利/接戦再投票、それぞれで「初動30分の行動」をメモしておく。結果判明までは、事前にシナリオを準備して焦らず行動できる準備をしておきます。
事前織り込み × 結果の早見表(進次郎ショックの強弱)
- 高市優勢 × 高市当選:変化は小さめ。 寄りの上昇は限定的。追いかけず、押し目や循環の有無を確認。
- 高市優勢 × 小泉当選:ショック強め。 500〜800円級の下押しと円高方向の揺り戻しに注意。初動はヘッジ維持、戻りでディフェンシブや内需へローテ。
- 小泉優勢 × 小泉当選:ショック弱め(材料出尽くし)。 初動の下押し〜往って来いの可能性。段階的にヘッジを外す。
- 小泉優勢 × 高市当選:サプライズ上昇。 ギャップアップ後の利確に注意し、規模は“半分だけ乗る”。
事前に準備をしておけば、結果がどうであれ、行動を起こすことができます。進次郎ショックに備えて、ストップを入れておくことも必要かもしれません。少しの準備で、心にゆとりが生まれます。
😭 まとめ—進次郎ショックに備えよ
昨年は石破ショック、今年は進次郎ショックの懸念。どちらも“一過性の動揺”に過ぎない可能性が高いと信じたいところですが、備えておくことで不安は大きく和らぎます。高市勝利なら安堵の株高、小泉勝利なら短期の下落。
いずれにしても、長期のトレンドを決めるのは世界の金利動向や企業収益などが重要です。目先のボラティリティを恐れるよりも、備えを整えた上で冷静に受け止めること。それこそが投資家の生存戦略ではないでしょうか。さて、あなたは“進次郎ショック”にどう備えますか?