日中関係の緊張が続く中、中国から日本への旅行キャンセルが相次いでいるという報道が目立つようになっています。テレビやネットのニュースでは「旅行者が不安を感じて自主的にキャンセルした」といった表現が繰り返されますが、本当にそうなのでしょうか。
数字を見ると、11月15日から17日の3日間で約50万件の旅行キャンセルが発生したとされています。あまりに短期間に、これほどの規模のキャンセルが自然に起きるのでしょうか。
皆さんは、どう感じますか？各社の報道を元に、落ち着いた雑談のような雰囲気で、その背後にある構造を整理してみたいと思います。
😁11月中旬に起きた急激なキャンセルとその背景
11月14日、中国外務省と在日中国大使館が日本への渡航自粛を呼びかけ、「安全リスクが高い」と強調しました。その翌日からキャンセルが急増し、中国人アナリストによれば、わずか3日間で約49万件から54万件の航空券キャンセルが発生したといいます。
これは全体予約の約32%にあたり、新規予約の27倍の規模とされます。皆さんは、これを単なる「旅行者の気持ちの変化」で説明できるでしょうか。むしろ政府の発表を受けて、旅行会社や航空会社が一斉に動いたと見る方が自然ではないでしょうか？
😍旅行者の意思よりも航空会社の判断が先に動いていた可能性
日本のテレビ番組で、旅行会社の担当者が「飛行機がキャンセルされてしまい、お客様が来られない」と答えていたのが印象的でした。もし旅行者の自主キャンセルが主因であれば、「お客様が次々とキャンセルされていて困っています」といった言い回しになるはずです。
しかし、実際には「飛行機が飛ばない」ことが問題となっている。中国国際航空（エアチャイナ）、中国東方航空、中国南方航空、四川航空、春秋航空など10社以上が日本路線の無料キャンセルや減便を発表しています。すでに予約が埋まっている便であっても無料キャンセルが適用され、結果としてツアー全体が催行できなくなるケースが続出しています。
🤪政府要請が旅行会社に波及し「官製キャンセル」へ
報道では、中国国内の旅行会社が日本ツアーの販売を停止したり、既存のツアーを一括キャンセルしたりする例が紹介されています。遼寧省の代理店が11月分を丸ごと取り消したケースも報じられました。
また、北京の病院職員が会社旅行を申請したところ、「政府の警報に基づき不許可」とされ、約13万円の個人負担が発生したといいます。これは、旅行者個人の意思とは異なる圧力が背景にあることを示しているように見えます。
🤔日本側の観光業界にも影響は出るが、中国側も深刻なダメージ
日本の観光業界も、中国依存度が高い地域では大きな影響を受けています。ホテル、バス会社、飲食店などがキャンセルの連鎖に巻き込まれ、採算が合わなくなっているという声も聞かれます。一方、中国側でも影響は小さくありません。
日本路線は中国の航空会社にとって収益性が高い路線であり、20～50%もの減便を行えば売上への打撃は避けられません。専門家の間では「最も痛手を受けているのは中国航空会社自身」との指摘もあります。これは本当に日本への制裁として合理的なのでしょうか？
😴それでも日本旅行を続ける層と「メンツ文化」の影響
興味深いのは、中国国内で渡航自粛要請が出ていながらも、日本旅行を続ける人が一定数いる点です。理由としては、日本の航空会社（ANA・JAL）や香港など第三地経由のルートを利用し、比較的安定した便を確保できることが挙げられます。
一方で、公務員や国有企業の社員といった「体制内」の人々は、要請を無視すると評価や昇進に影響が及ぶ可能性があり、日本旅行を選びにくい状況にあります。こうした背景には、中国特有の「メンツ文化」が作用しているとみられます。トップの発言が一般の旅行者にまで影響する構図を見ると、中国の人々も立場上つらい状況に置かれているのだろうと感じさせます。
😷SNSで見える“現実の声”と情報の揺らぎ
一部報道では、中国SNS（小紅書や微博）で「日本旅行をしたが問題なかった」「日本は親切だった」といった投稿が紹介されています。検閲の存在を考えると、こうした投稿がどれだけ広く共有されているかは不明ですが、一定の声として存在していることは興味深いです。
また、「政府の指示を無視して日本に行くのは危険では？」という声もあり、情報状況は揺らいでいます。日本の治安が悪化しているので渡航は危険などという報道もされているようですが、そのような事実はありません。しかし、この状況を見ると、本当に危険なものは何なのか考えさせられます。
😵まとめ：旅行者キャンセルではなく「供給側のキャンセル」が実態
今回の現象は、単純に「中国の旅行者が日本旅行をやめた」という話ではなく、政府の渡航自粛要請が航空会社や旅行会社に波及し、結果として便やツアーが一斉にキャンセルされる「官製キャンセル」であると見る方が自然です。数字や関係者の証言を踏まえると、旅行者が主体的に判断した割合は限定的であり、むしろ航空会社・旅行会社の決定が旅行者の行動を縛っている構図が浮かび上がります。
中国側は日本への圧力を意図した可能性がありますが、その反動として自国の航空業界や旅行者への負担も大きく、いわば“自爆的制裁”の側面もあります。日本国内の影響は限定的と見られていますが、中国資本の旅行会社や宿泊施設、民泊、白タクといった分野では一定の打撃が出ているようです。
一方で、オーバーツーリズムが問題視される中、日本側が緊急に対策を講じる必要があるという状況でもありません。むしろ、静観しているだけで良いようにも思えます。
みなさんは、この騒動をどのように受け止めていますか？
