中国経済は本当に崩壊寸前なのでしょうか。それとも、まだ十分な余力を残しているのでしょうか。ネットやメディアでは「もう限界だ」「いや回復している」「体制が揺らいでいる」といった強い言葉が飛び交いますが、少し距離を置いて眺めてみる必要がありそうです。
2026年を見据えたときに重要なのは、刺激的な見出しよりも、人や企業が実際にどんな行動を取り始めているかという点です。今回は軍事や政治の話題はいったん横に置き、中国経済を“お金の流れ”と“選択の変化”から、整理してみます。
🤔表向きの数字と、実感のズレの違和感
各種予測では、中国の2026年の経済成長率は4%台半ばとされています。貿易黒字は維持され、EVやAI、新エネルギーといった分野では明るい話題も見られます。こうした数字だけを見ると、中国経済は底堅く推移しているようにも見えます。
一方で、実体経済の感触は必ずしも軽くありません。国内消費は力強さを欠き、不動産市場の調整も長期化しています。地方政府の財政余力が乏しくなり、インフラ投資も以前ほど勢いがありません。数字としては「悪くない」が、現場の空気は「慎重」。このズレこそが、現在の中国経済を理解する上での出発点と言えそうです。
😟企業と起業家の行動が変わってきている
海外企業の動きも、中国経済の空気を映しています。撤退が相次いでいるというより、実際には「投資判断が慎重になっている」「生産や拠点を分散している」と表現する方が近いでしょう。中国市場を完全に捨てる企業は少ないものの、リスクを一国に集中させない動きは明らかです。
同様の変化は、中国人の起業家や富裕層にも見られます。ビジネスの拠点は国内に置きつつ、会社登記や資産管理、家族の生活拠点を海外にも分散させるケースが増えています。これは中国経済への悲観というより、「将来が読みづらい中での保険」と考えるのが自然でしょう。成功しても先の見通しを立てにくい環境では、慎重な選択が増えるのは無理もありません。
😵富裕層が逃げ出すということの意味
日本やシンガポールへの中国人移住が増えていることも、近年よく話題になります。特に目立つのは、生活の安全性や教育環境、資産保全を重視する富裕層やアッパーミドル層です。これは短期的な流行というより、じわじわと進む構造的な動きと見た方が良さそうです。
こうした流れが続けば、中国本土では富裕層の「密度」が相対的に低下し、中間層や下の層の重みが増していく可能性があります。もちろん、すぐに貧困国になるという話ではありません。ただ、経済成長の果実を担ってきた層が外に目を向け始めているという事実は、長期的な体質変化を示唆しています。
🥺富裕層が去った後に残る構図とは?
2026年の中国経済は、表向きの強気な発言とは裏腹に、選択肢が徐々に狭まっているようにも見えます。富裕層や起業家は、完全に中国を捨てるわけではなくとも、資産や生活の一部を国外へ移し、リスクを分散させています。その一方で、多くの人々は国内にとどまり、生活を大きく変えることが難しい状況にあります。
この構図が意味するのは、「何かあれば14億人が一斉に立ち上がる」といった単純な物語が、現実とはかけ離れているという点です。富裕層は海外に逃げ、残る人々は日常を維持することに精一杯になる。これで団結するわけがありません。
前回取り上げた若者の沈黙と、今回整理した富裕層・企業の慎重な行動を重ねると、中国は劇的に崩れるというより、活力を失いながら次の段階へ移行しているようにも見えます。そうした現実を冷静に見ていくことが、2026年以降の中国を考える上で欠かせない視点になりそうです。



