🤣食品消費税ゼロは本当に得か?年間5兆円の穴と高市政権「給付付き税額控除」へのつなぎで考えられること

「食品の消費税ゼロで、あなたの生活は本当に楽になりますか?」この問いに、即座に「はい」と答えられるでしょうか。レシートから8%が消える。テレビでは「助かる」という声が流れ、街頭インタビューでは期待のコメントが並びます。しかし、その裏側で何が起きるのかまで、私たちはどこまで想像しているでしょうか。製造会社は誰が税を払うのか。還付金とは何か。

そして高市早苗首相が掲げる「給付付き税額控除」という本丸との関係は、どのように整理すべきなのでしょうか。低所得世帯では約5.7万円、高所得世帯では約11.8万円という差、そして1人3万円給付との比較。

さらに、事業者側の負担、8%と10%の線引きがもたらす消費者の混乱。感情と制度、分かりやすさと持続可能性、短期的な安心感。その間で、私たちはいま何を基準に判断しようとしているのでしょうか。

🤔軽減税率8%の現在地

現在、食料品には軽減税率8%が適用されています。製造会社は原材料や包材、電気、燃料などを仕入れる際に消費税を支払い、完成品を卸や小売へ販売する際に8%を上乗せして請求します。そして国へ納める消費税は、「売上にかかる消費税」から「仕入や経費にかかる消費税」を差し引いた額、いわゆる仕入税額控除後の金額です。

価格に転嫁され、最終消費者が負担する構造です。関連する各事業者がそれぞれ受け取った消費税から、仕入時に支払った消費税を差し引いた額を納税するという点では、制度自体は比較的シンプルです。しかし軽減税率が導入されると状況は複雑になります。

仕入れの中には8%のものもあれば、食品製造に使用する電気代のように10%のものもあり、税率が混在します。この区分管理は事業者にとって大きな負担となります。小売業では商品ごとに税率を確認する必要があり、レジやPOSシステムも単純ではありません。さらに、仮に税率をゼロにする場合でも、価格表示の変更やシステム改修が必要になります。制度変更そのものが、事業者にとって相応のコストを伴うという現実があります。

😮ゼロ税率とは何か?業界間の不公平と財源5兆円

現在議論の中心にあるのは「ゼロ税率方式」です。これは輸出と同じ扱いで、売上税率を0%にする一方、課税取引として扱う制度です。製造会社が食品を販売する際の売上税額は0円になります。しかし仕入時には従来通り10%の消費税が発生します。結果として、売上税額0円から仕入税額10%分を差し引くとマイナスになります。その差額は国から還付されます。

つまり企業は消費税を払うどころか、還付金を受け取る立場になります。また、食品メーカーやスーパーは還付で資金繰りが改善する可能性がある一方で、外食産業は売上が10%のままで、仕入控除の構造が変わるため納税額が増える可能性があります。

いわゆる「ラーメン店壊滅」懸念も語られています。財政面では年間約5兆円規模の税収減が想定されています。また、2年限定としながらも、8%に戻す政治的ハードルは極めて高いとの見方もあります。

😶高市早苗首相の「つなぎ」構想

2026年2月時点で、高市早苗首相は食料品消費税ゼロを「給付付き税額控除導入までのつなぎ」と明言しています。本丸は給付付き税額控除です。所得税額から一定額を控除し、控除しきれない分は現金給付する制度で、低所得・中所得層の手取りを恒常的に増やすことを目指します。しかし制度設計には時間がかかります。

国民会議で議論し、夏前に中間取りまとめ予定とされていますが、2026年度中に法制化・システム対応を間に合わせるのは厳しいとの指摘もあります。つなぎが長引く可能性も否定できません。ただし、あくまで高市総理の本丸は、給付付き税額控除ですので、消費減税は別の方法で実現する可能性も否定できません。

😐給付3万円と比較すると

大和総研などの試算では、食料品ゼロによる家計軽減額は平均で年間6〜9万円程度です。低所得世帯では年約5.7万円、高所得世帯では約11.8万円と差が出ます。高齢単身世帯では年4〜5万円程度にとどまる場合もあります。仮に1人3万円の給付を行えば、単身で3万円、4人家族なら12万円です。食べ盛りの子どもがいる世帯では給付の方が有利になる可能性もあります。

限界消費性向の観点からも、給付の方が消費押し上げ効果が高いとの指摘があります。テレビのインタビューでは「ゼロなら助かる」という声が目立ちますが、実際の金額を比較するとどうでしょうか。仮に1人3万円の給付があるのと、食品消費税ゼロは、どちらが得だと思いますか?感情と数字は一致していますか。

😴軽減税率廃止と一律10%論

一部の専門家は、軽減税率を廃止し一律10%に戻した上で、基礎控除拡大や給付付き税額控除を強化する方が合理的だと指摘しています。軽減税率廃止で年約5兆円の税収増が見込まれ、その財源を所得側支援に回すという考え方です。制度は簡素化され、インボイス負担も軽減されます。

小売店などで生じている8%と10%の混在管理、区分経理、レジ設定変更といった実務上のコストも解消されます。もともと軽減税率は8%と10%のわずか2%差でありながら、管理コストや事務負担だけが増大した制度との指摘もあります。

さらに、公明党が連立から離脱した現状では、この制度を維持する政治的必然性は相対的に低下したとも言えます。ただし、軽減税率は公明党の重要政策として導入された経緯があり、与党再編や世論動向を踏まえれば、依然として政治的ハードルが存在するのも事実です。

😶消費税は本当に「高所得者に有利」なのか

消費税は逆進的であり、高所得者ほど有利な制度だという指摘があります。確かに、所得に対する負担割合で見れば、所得の低い層ほど負担率は高くなります。しかし一方で、消費はある程度コントロール可能であり、所得水準に応じた生活水準に収れんしていくという見方もあります。また、消費税は国内居住者だけでなく、訪日外国人旅行者、いわゆるインバウンドも負担する税目です。

所得税や住民税と異なり、国内で消費が発生すれば広く薄く課税できる点は、税収構造として一定の安定性を持っています。景気変動の影響は受けるものの、所得捕捉が難しい分野にも網をかけられるという意味では、必ずしも「悪い税」とは言い切れません。その上で、逆進性対策を消費税側で行うのか、所得税側で行うのかという選択があります。

所得税の累進構造の見直し、基礎控除の拡大、あるいは税収の上振れ分を給付で還元する仕組みなど、消費減税以外にも手段はあります。消費税率を動かすよりも、所得側で調整する方が制度としてシンプルで透明性が高いという考え方もあります。みなさんは、逆進性対策をどこで行うのが適切だと感じますか。

😌軽減税率は難しいし事業者負担も大きい

食品消費税ゼロは分かりやすく、心理的インパクトが強い政策です。しかし制度の中身を見ると、企業還付、業界間不公平、年間約5兆円規模の財源問題など、複雑な課題が存在します。高市早苗首相は消費税ゼロを一時措置とし、給付付き税額控除へ移行する構想を示していますが、実務面ではレジ改修や会計処理変更など事業者負担も無視できません。消費者側にとっても、対象品目や外食との線引きなど混乱が生じる可能性があります。

近年の選挙では、チームみらいのように消費減税を前面に掲げない政党が一定の支持を伸ばしました。このことは、必ずしも「消費減税だけが答えではない」という有権者の判断が存在することも示しています。税制は景気対策であると同時に、社会保障財源でもあります。分かりやすさは重要ですが、それだけで決められるものではありません。

所得税の累進構造の見直しや、税収の上振れ分を給付で還元する仕組みなど、消費税率を動かさずに家計を支える方法もあります。制度の簡素さ、事業者負担の軽減、消費者の混乱回避という観点も含めて、多角的に検討する必要があります。皆さんは、どのような方法が適していると思いますか?

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