今回は、無料で配布されているFXキーストン氏の人気シグナルツール「Keys_RSI」と、全自動売買EA「ワンクリックFXアローズ」をシグナル連携させた検証動画をご紹介します。
矢印に連動してトレードが実行されるため、裁量を一切挟まず、シグナルそのもののパフォーマンスを確認することができます。また、トレード終了後には、AIジャッジメントによる客観的な分析結果もご紹介します。
keys_RSIとは?
keys_RSIは、MT4/MT5向けのオリジナルインジケーターで、RSI(Relative Strength Index、相対力指数)を基にしたシグナルツールです。このツールは、FXキーストンで無料公開されており、RSIの買われすぎや売られすぎを検知して矢印シグナルを表示し、アラート(音声、メール、プッシュ通知)を出力します。
✅ 主な特徴
- シグナル表示: RSIが指定レベルに到達すると、チャート上に上向き(買いシグナル)または下向き(売りシグナル)の矢印を表示。
- アラート機能: RSIの閾値到達時にアラートを鳴らし、メールやプッシュ通知で通知。
- 関連ツールとの連携: keys_RSI3や、ストキャスティクスRSIなどの派生インジケーターと組み合わせやすく、ボリンジャーバンドやMAとのフィルター機能も追加可能。
📩 ダウンロード:https://www.fxnav.net/mt4navi/rsi_indicator/
今回はこのツールの矢印をトリガーに、MT4上で完全自動のエントリー・決済を実行。実際のシグナル精度と、AIによる分析結果を通じてパフォーマンスを評価していきます。
ワンクリックFXアローズの設定と検証環境
このシグナルを自動売買につなげるのが「ワンクリックFXアローズ」です。
テスト環境の設定は以下の通りです:
- 通貨ペア:USDJPY
- 時間足:15分足(M15)
- 検証期間:2017年4月5日〜5月12日
- モデル:コントロールポイント
- スプレッド:0.2pips固定
- 利確・損切:未設定(裁量なし)
- トレーリングストップ:シャンデリア・エグジット
- 確定足エントリー(ペイントありのため)
- 逆方向矢印でドテン(両建てなし)
- 最大ポジション数:無制限(追加エントリーあり)
これらの設定により、シグナルツールが発するエントリー指示のみで、裁量を挟まない自動売買が実行されます。
初期設定
ストラテジーテスターを起動し、ワンクリックFXアローズを選択します。エキスパート設定から、ワンクリックFXアローズのパラメータおよび、シグナルツールとの連携のパラメータを設定します。
今回はバッファー型のシグナルツールですので、インディケーター名、インデックス番号を設定します。次に、期間・通貨ペア・モデルを設定し、ビジュアルモードでテストを開始します。
自動売買の開始
チャートが動き出すと、keys-RSIインジケーターも表示され、シグナルに応じて矢印が現れます。まずは、シグナルに連動して正常にエントリーが行われるかを確認します。
基本的には下部のRSIのチャートが60以上、40以下となった際に矢印が表示されます。同一方向への矢印が連続で発生し、矢印が多く出現します。最大ポジションを無限にしていますので、追加エントリーが多数発生します。
そのため、トレンド発生すると買い続けてしまうこととなるため、トレーリングストップで、シャンデリアエグジットを設定しています。
矢印が表示されると自動的にエントリーが実行され、逆方向の矢印が出たタイミングで決済と同時にドテンエントリーが行われます。
自動売買の動作が正常に確認できたため、自動停止を解除し、トレードを本格的に流していきます。
画面下部にはリアルタイムで損益グラフが表示されており、再生速度を上げた状態でもトレードの状況がひと目で分かるようになっています。
今回は1ヶ月以上のヒストリーデータを使用しているため、動画では再生速度を上げて進行します。実際のトレード処理は、およそ7分程度で完了しました。
期間終了と集計結果
3週間分のトレードが終了しました。 AIジャッジメント用のCSVファイルと出力された画像のフォルダが自動的に開きます。また、ワンクリックFXアローズが自動で集計を行い、総損益や勝率、プロフィットファクターなどの統計を画面に表示しています。
AIジャッジメント分析結果
そのAI分析結果を確認していきましょう。
Step 1:統計要約
総トレード数:128
総損益(円):138,174円
勝ちトレード数・損益:76件・1,919,731円
負けトレード数・損失:52件・-1,781,557円
勝率(%):59.38%
プロフィットファクター:1.08
平均リスクリワード:0.74
平均損益:1,079円
平均pips:2.08
最大ドローダウン:463,448円(46.34%)
Step 2:グラフとコメント
Cumulative Profit(累積損益)
累積損益は右肩上がりの局面が多く、全体として資産曲線は安定的です。
Trade-wise Profit(トレードごとの損益)
一部の大きな損失が全体成績を押し下げています。損失拡大の場面を特定し、上限管理が必要です。
Profit Distribution(損益分布)
分布の中心はプラス側に位置し、利益優位の傾向がみられます。
Win/Loss Breakdown(勝敗内訳)
勝敗の内訳(大勝:14・小勝:62・小負:34・大負:18)。大勝・大負の閾値は|profit|の上位25%です。
Max Drawdown per Trade(トレードごとのDD)
最大ドローダウンが二桁に達しており、ロット調整や損失上限の見直しが必要です。(追加エントリーを続けているためかと思われますが、ドローダウンのグラフは正しくないようです。ご参考まで)
Step 3:AIジャッジメント
勝率安定性:C(勝率のブレが大きく、再現性に課題があります。)
ボラティリティ対応力:A(高ボラ局面で損益規模が拡大しやすく、機会を活かせています。)
リスク管理:C(損益効率またはドローダウンが弱く、大負抑制が課題です。)
総合評価:C 期待値・リスクの両面で改善が必要です。損切り基準とロット設計の再構築を推奨します。
Step 4:課題と改善提案
課題:大負の抑制
内容:大負の比率が高く、累積損益と勝率を圧迫しています。
改善案:損切り上限(円・pips)の二重基準、トレーリングストップ(Chandelier/ATR系)の導入、指値逆指値の自動送信を標準化します。
課題:期待値(PFとRR)の底上げ
内容:プロフィットファクターが伸び悩んでおり、勝ち幅に対し負け幅が相対的に大きい可能性があります。
改善案:利確の二段構え(部分利確+追随)、ブレイクイーブン移動、トレンド強度(SuperTrend/ADX)でエントリー品質をフィルタします。
課題:ドローダウン耐性の改善
内容:最大ドローダウンが46.34%で資金効率を毀損しています。
改善案:日次損失上限・連敗ストップの導入、ボラ拡大局面のロット縮小、相関の低い戦略のポートフォリオ化を検討します。
なお、今回の結果はあくまで一つの例に過ぎません。
市場環境、シグナルの設定、期間などによって結果は大きく異なりますので、参考の一つとしてご覧ください。
