トレーダーは「世界に一つだけの花」を目指してはいけない

誰もが知っているであろう有名な曲に「世界に一つだけの花」があります。槇原敬之氏が作った曲で、SMAPが歌っていました。その歌詞の中に「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」という歌詞に心打たれた人も多いことでしょう。

しかし、トレーダーの皆さん、一度考えてみてください。あなたのトレードは「ナンバーワン」や「オンリーワン」を目指していませんか?これは素敵なフレーズですが、トレードの世界では危険な考え方です。

トレーダーはナンバーワンもオンリーワンも目指してはいけない

トレンドフォローを基本とするトレードにおいて、ナンバーワン(誰よりも早く逆張りをする)やオンリーワン(独自の指標でトレードする)を目指すことは、大きなリスクを伴います。トレンドに逆らわず、市場の流れに同調することがトレードの基本であり、安定した成果を生む鍵です。

ナンバーワンになろうとする逆張りのリスク

相場が上昇トレンドにあるとき、誰よりも早く天井を狙って売りを仕掛けたくなるかもしれません。しかし、これには以下のようなリスクがあります。

  • トレンドの勢いを過小評価する: 上昇トレンドが強い場合、予想した天井が簡単に突破されることが多々あります。
  • 損失が膨らむリスク: トレンドに逆らったポジションを持つと、逆行が続けば続くほど損失が拡大します。
  • エントリーのタイミングを見誤る: トレンド転換を正確に見極めるのは非常に難しく、特に初心者にとってはリスクが高い行為です。

トレンドの終わりを狙うのはプロフェッショナルでも難しいスキルです。初心者にとっては、あまりにハードルが高すぎます。そのため、トレンドに乗ることに専念する方が、安全かつ効率的です。

オンリーワンを目指す独自指標の罠

トレードにおいて「自分だけの特別な方法」を使いたいと思うのは自然な感情です。私のところにも多くの独自インディケーターの制作依頼が来ますが、それが優秀であるかは何とも言えません。熟練したトレーダーであれば別ですが、基本的には、以下の理由でおすすめしません。

  • 市場は大衆心理で動く: 相場は多くのトレーダーが利用する指標(移動平均線やボリンジャーバンドなど)に反応することが多いです。大衆心理を理解し、同じ流れに乗ることが成功の鍵です。
  • 検証が困難: 独自指標は市場での実績や信頼性が低く、過去のデータを元に検証するのも難しくなります。
  • 安定性に欠ける: 独自の指標に頼りすぎると、普遍的な相場の動きから外れるリスクが高まります。

むしろ、移動平均線やRSIのような一般的なインディケーターを使い、トレンドに同調する方法を学ぶべきです。これらのツールは、シンプルで効果的なトレード戦略の基盤となります。

トレンドに乗ることが成功の鍵

勝つトレーダーになるためには、ナンバーワンやオンリーワンではなく、トレンドに沿った賢いトレードです。それは熟練したトレーダーでも基本は同じです。

トレンドフォロー

トレンドフォローの基本ルールは、上昇トレンドでは買いを狙う、下落トレンドでは売りを狙う、トレンドの確認には移動平均線やADXなどを活用する。

トレンドフォローの利点は、リスクを抑えながら市場の流れに乗れることです。流れに逆らうトレードよりも成功率が高く、メンタルの負担も少なくなります。トレンドに乗ることは、結果として効率的なトレードにつながります。

さらに、トレンドが形成される背景には、多くのトレーダーが同じ指標や情報に基づいて意思決定をしていることが挙げられます。これを理解し、大衆心理を利用することが、トレードでの成功に直結します。

通貨ペア選びの重要性

トレーダーにとって、どの通貨ペアを選ぶかは非常に重要です。

流動性が高いペア(米ドル/円-USD/JPYやユーロ/米ドル-EUR/USD)は流動性が高く、安定しているため初心者向きです。そして、新興国通貨は避けるべきでしょう。価格変動が激しく、予測が難しい新興国通貨は初心者には不向きです。

取引コストはとても重要です。スプレッドや手数料が低い通貨ペアを選ぶことで、トレードのコストを抑えることができます。

これらの安定した通貨ペアを選ぶことで、無用なリスクを避けることができます。安定性はトレードの継続性を高める重要な要素です。

大衆心理を理解する

絶対に分かってほしいことですが、相場は多くのトレーダーが同じ指標を見ていることで形成されています。移動平均線やボリンジャーバンドはその代表例です。これらのインディケーターを活用することで、市場参加者と同じ視点で相場を見ることが可能になります。

例えば、75日線(移動平均線75)や25日線(移動平均線25)に接触すると反転するなどという事象を見たことがあるでしょう。それは、移動平均線を多くとトレーダーが見ていて、その接触する価格に指値を入れていたり、ストップを入れているためにその価格で値動きが発生するのです。

つまり、ストップ置く場所には意味があり、その反転には、理由があるわけです。注文が入っているから、値動きがあり、多くの人が注文している箇所で反発するということになります。

こちらの画像は移動平均線の75(紫)と25(オレンジ)を表示したチャートです。緑の矢印の箇所で75で反発し、終盤は25で反発が起きています。水色の矢印の75線上でせめぎあいとなりましたが、値下がりしました。次に75の箇所で反発しています。

推測となりますが、このチャートでは、裏でそのようなポジション争いがあったのではないかと思われます。相澤先生の書でも「移動平均線を背」にという言葉があります。前半の上昇トレンドに乗り、急落した25または、75で決済することが成功であったでしょう。

つまり、大衆心理を考え、人気の指標を活用して、トレンドの流れに乗ることが重要です。個性的な手法にこだわるより、誰もが使うインディケーターを基盤にする方が成功しやすいでしょう。

そして、市場の変動要因を考慮することもチェックしましょう。経済指標やニュースなどの大衆心理に影響を与える要素も考慮してトレードを行うことが重要です。

大衆心理を理解することで、相場の動きを予測しやすくなります。また、多くのトレーダーが意識している価格帯や指標に注目することで、エントリーやエグジットの精度を高めることが可能です。

みんなと同じ波に乗る

この記事は、有名な曲のフレーズを引用して作成してみました。人として、ナンバーワンやオンリーワンで良いのですが、トレーダーはナンバーワンやオンリーワンを目指す必要はありません。それよりも、少数派にならないように「市場の波に乗る」というシンプルな原則を守りましょう。トレードの世界では、「特別な存在」であることよりも、安定して勝つスキルが重要です。

トレードの基本を徹底し、トレンドフォローを実践することで、少しずつ成果を積み上げていくことを目指しましょう。安定した通貨ペアを選び、大衆心理に同調することが成功への近道です。

トレンドを学ぶ際には過去のデータを使って検証を行うこと効果的と考えられます。多くのチャートを分析することで、トレードスキルは確実に向上することでしょう。

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