多くのトレーダーが「高勝率」を謳うシグナルツールに興味を持っています。しかし、どんな相場でも勝てる魔法のようなツールは存在しません。この記事では、シグナルツールを選ぶ際に注意すべき点や、その特性を理解し活用するための方法を解説します。
「勝てます」と謳うシグナルツールの何を見るべきか？
シグナルツールを見る上で気を付けるポイントを紹介します。商品紹介ページを見ると何とも勝てそうな気分になりますが、そんなものが簡単に手に入るわけがありません。ここからお伝えするような方法で「勝てます」が作られています。
1. 損切りをしない戦略のリスク
一部のツールは「損切りをしない」ことで高勝率を実現していますが、損切しないのだから当然のことです。例えば2024年のドル円を買い続けて、損切をしなければ、100%勝てます。年間を通して、円安が進んだからです。このような手法は、勝率だけを見れば一見魅力的に見えます。しかし、大きなドローダウンが発生し、含み損が証拠金を超えた場合、全資金を失うリスクがあります。ツールのロジックがリスク管理を含んでいるかどうか、購入前に必ず確認しましょう。
2. 特定の相場条件だけを強調
販売ページでは、大きなトレンドが発生した時の結果だけを見せている場合があります。トレンドが続いている場面で有効でも、レンジ相場では効果が限定的な場合が多いです。ツールがさまざまな相場でどう機能するのか確認しましょう。見栄えの良いところだけを強調する手法も良くある方法です。
3. 多様な矢印やマークで勝ちを演出
多数の矢印やマークを表示し、どれかが当たれば「勝った」とアピールするツールがあります。スーパーリーチとか、ゴールドサインとか、チャートには様々な印がでてくるようなシグナルツールです。いくつもサインが出ているので、どれかが当たることは誰の目にも分かるのですが、このようなツールは視覚的に騙されやすく、高性能であるかのように見えますが、実際のトレードでは再現性のあるサインだけが要求され、多数のサインがでることで混乱することが想像できます。
4. バックテストに最適化されたロジック
過去のデータに合わせて調整されたツールは、未来の相場では通用しないことが多々あります。バックテストで勝った結果を自慢げに紹介する商品もありますが、バックテストは調整すれば、いくらでも勝てます。バックテストは評価の一つですが、特定のバックテストで結果が出たからといっても、別の相場も勝てるといういことではありません。時間や日時を変える、長期的なバックテストを確認するなど、単一のデータだけを信じないでください。
5. 高額だから勝てると思わせる
「高額だから良い商品」という心理を利用した販売手法が広く行われています。例えば、偽物の宝石を販売する際、安く売ると偽物だと疑われますが、高額で売ることで疑念が減ります。また、安価な商品に対する否定的な表現として「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、最悪なのは「高かろう悪かろう」ですよね？しかし、高額な買い物をすると、人は認知的不協和の影響で「この決断は間違いではなかった」と自分に言い聞かせます。そのため、購入直後のレビューにはポジティブな内容が多くなる傾向があります。
シグナルツール購入時の注意点
購入ボタンを押す前に今一度、考えて下さい。そのツールは本当にそんな金額を出すほどの価値があるのだろうか？ということです。少しだけ、立ち止まって、考えて下さい。
レビューを鵜呑みにしない
販売ページのレビューは、販促目的で書かれている場合があります。特に、★5ばかりのレビューや具体性に欠ける内容には注意が必要です。アマゾンなどでは、日本語がちょっと？と思うレビューを見たことがあるでしょう。レビューを見る際は、星の数よりも具体的な使用感や販売者の対応について記載された内容を確認しましょう。
販売者に直接問い合わせる
ツールの特性や運用方法について疑問がある場合は、販売者に直接問い合わせてください。信頼できる販売者は、具体的で有益なアドバイスを提供してくれるはずです。曖昧な返答や知識不足が感じられる場合、そのツールの購入を再考することをお勧めします。結果として、購入後のサポートに直結します。
ツールの価値は”ツール＋作者のサポート”
シグナルツールの価格には、ツールそのものだけでなく、販売者からのアドバイスやサポートが含まれています。これはレストランで料理だけでなく、雰囲気やサービスに対価を払うのと同じです。
むしろ、シグナルツールを含む、ノウハウ系のツールは、作者のアドバイスにお金を払っていると思っていただいた方が良いと思います。
多くのツールを見てきましたが、多くのシグナルツールは、移動平均線や基本的なインディケーターを組み合わせた程度のものです。プログラミング経験があれば短期間で作れる内容も少なくありません。そのため、価格が高いからといって性能が保証されているわけではありません。
それをどのように活用するかを作者からアドバイスを貰うことで、そのツールの本来の性能を発揮することになることもあるでしょう。ツール単体での性能が商品の価値ではありません。
ツールを正しく理解し、活用するために
世の中に万能などというものありません。特にシグナルツールには得意な相場と不得意な相場があります。その特性を理解した上で、自分のトレードスタイルに合うかどうかを確認してください。
そして、疑問や期待した結果にならないのであれば、作者のアドバイスを積極的に活用してください。販売者から直接アドバイスを受けることで、ツールを最大限活用できます。具体的な運用方法や注意点を尋ねて、適切に使いこなす工夫をしましょう。
そして、購入後は、シミュレーターやデモ環境でツールを検証し、自分のトレードに適しているか確かめることが重要です。ワンクリックFXトレーニングや検証withAIのようなツールを活用することで、効率的な検証が可能です。
賢く選び、活用する心構え
シグナルツールはあくまでトレードの補助として活用するものです。その性能や特性を正しく理解し、販売者からのサポートを活用することで、初めてその価値を引き出せます。レビューや価格に惑わされず、自分にとって本当に有益なツールかどうかを慎重に見極めてください。
高額な商品になればなるほど、作者に質問してください。質問に適切に対応できるか、提供するアドバイスが実践的で信頼できるかを見極めることが重要です。対応が不十分な場合、そのツールの価値は大きく下がるでしょう。
万能なツールは存在しない
巷のシグナルツールを見ていると本当に勝てそうな気分になるものが多々あります。しかしながら、多くのシグナルツールを検証しましたが、そんなに高性能なものは見たことがありません。
もし、そんな最強ロジックが存在するのであれば、既に多く方が利用し、そのような情報が出回っているはずです。そして、そのようなツールを手に入れたら、売るよりも自分だけで大儲けします。自分で実践するリスクよりも、売る方が安全だからです。そして、同じツールが出回ると勝率が落ちる可能性が高まるからです。
この話は、別の機会に詳しく説明しますが、同じツールで皆が同じトレードをすれば、その効果は下がります。そのため、独占する方が圧倒的に儲かるわけです。例えば競馬で絶対に勝つ馬を知ったとしたら、それを他の人には教えるわけがありません。購入者が増えれば増えるほど、配当が下がってしまいます。
ツールに頼りすぎない
もし、未来が分かるような万能なツールがあるとすれば、経済評論家の予想が外れるわけがありません。そのような人たちは、それを職業にしているわけですが、当たらない予想をすることが仕事の引き合いに直結します。そのような専門家ですら、予想が当たらないわけですから、他の人たちの予測が簡単に当たるわけがありません。
シグナルツールは、トレーダーでも使っている人が多いと思います。しかし、そのツールが出す矢印に従うだけでなく、自分の判断も加味してトレードすることが重要です。シグナルツールは、あくまでトレードを行う上での一つの情報です。シグナルツールの作者からアドバイスを受け、ツールの性能を最大限に引き出すことと、そして、それを使いこなすだけのスキルを自分が持つことで、より安定したトレードライフを築けるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。トレードをアシストする便利なツールの開発や情報を発信しています。もし可能性を感じていただけたのであれば、お気に入りに追加していただけると嬉しいです。
