
退職金2,000万円を、投資で一気に増やそうと思ったことはありませんか?
今回紹介されているのは、62歳の男性が退職金を個別株に集中投資し、ナンピン買いや信用取引を重ねて大きな損失を出した、という話です。
もちろん、こうした記事には取材内容の脚色などが含まれている可能性もあります。
細かな数字まで事実かどうかを断定するより、「だいたいこんな失敗が起きる」という事例として見るほうがよいでしょう。
😟最初から600万円を1銘柄。ナンピン以前の問題では?
話では、退職金2,000万円のうち約600万円を新興外食株に投入。株価が下がるとさらに買い増し、最後は信用取引まで使ったとされています。
ここで問題なのは、ナンピンそのものより最初から1銘柄に600万円も入れていることです。

退職金の30%を、値動きの大きい個別株に集中させる。これでは、少し失敗しただけでも老後資金全体への影響が大きくなります。
さらに「下がったから買う」「平均価格まで戻れば助かる」と買い増していけば、いつの間にか投資ではなく、損失を取り戻すゲームになってしまいます。
はっきり言って、投資のド素人としか見えません。信用取引まで使えば、傷口を広げるスピードも上がります。

🤔そもそも退職金で一発狙いをする必要がありますか?
この話から考えたいのは、ナンピンや信用取引の危険性だけではありません。
退職金を「大きく増やすための資金」と考えてしまうこと自体が危険なのではないでしょうか。
現役時代なら、投資で失敗しても給料から補填できます。しかし退職後は、その大きな収入がありません。

年金を生活の基本にして、不足する部分を貯蓄から補う。退職金は、まさにその生活を支えるためのお金です。
もちろん、物価上昇などを考えれば、退職金をすべて現金で持つのが最適とも限りません。運用するなら、生活に必要なお金を確保し、分散して守りながら増やす。
そして一発狙いをするなら、なくなっても生活に困らない余裕資金の範囲で十分です。

🤔まとめ:退職金は「増やす」より、まず「守る」
退職金は「これから稼いで取り返せるお金」ではありません。
ただし、現役時代は「老後のために貯める」が大きな目的ですが、退職後は、これまで貯めてきた資産を生活のために計画的に使っていく段階です。
年金で生活費を節約して、無理に貯め込む必要はありません。むしろ、その余剰分を趣味や旅行に使ったり、多少リスクのある投資を楽しんだりするのも一つの考え方でしょう。
仮にその投資で負けても、退職金などの本体資金に手を付けなければ、生活そのものが壊れるわけではありません。
退職金は「増やす」より先に「失わない」。年金の余剰分は、使っても楽しんでもいい。
この順番を守ることが、退職後の資産運用では重要なのかもしれません。
