
「オルカンを買って長期で積み立てれば安心」。NISAの普及もあって、そんな言葉を目にする機会が増えました。確かに、世界中の株式に分散できるオルカンは、個別株に集中するよりリスクを抑えやすい商品です。
では、ここで少し考えてみましょう。株価が上がっていれば、本当に資産は増えているのでしょうか?
実は「何%上がったか」だけでは、投資の本当の成果は分かりません。

🤔 株価が5%上がっても、物価が5%上がったら?
例えば、インフレ率が5%の国で株価が5%上昇したとします。
100万円が105万円になりました。「5万円増えた!」と思いますよね。
ところが、その間に物価も5%上がっていれば、105万円で買えるものは、以前の100万円とほぼ同じです。
つまり、名目上は5%増えていても、実質的にはほとんど増えていません。

逆に、株価が3%しか上がらなければ、物価上昇に負けています。数字だけ見ればプラスでも、購買力ではマイナスです。
オルカンだから、この問題から逃げられるわけではありません。
世界中の企業に投資することで「企業や国を選び間違えるリスク」は減らせます。しかし、世界の株式市場全体がインフレや高い株価水準の影響を受けることまでは避けられません。

😵 「S&P500は昔から持っていれば大儲け」の裏側
「1980年からS&P500を持っていれば、ものすごく増えている」という話があります。これは事実です。ただし、米国の物価も1980年から大きく上昇しています。
そこで重要なのが、株価の上昇率と物価上昇率を分けて考えることです。
S&P500はインフレを大幅に上回って成長してきました。つまり、単に「お金の価値が下がったから株価が上がった」という話ではありません。企業利益の成長や配当、生産性向上などによって、実質的な価値も増えてきました。
だからこそ、S&P500や世界株式への長期投資には意味があります。

しかし、ここで過去の成功をそのまま未来に持ってくると話が変わります。
「過去に大きく上がった」ことと、「これからも同じように上がる」ことは別問題です。
株価が高いところまで上昇すれば、将来のリターンが低くなることもあります。
「オルカンなら世界分散だから安心」というのは間違いではありませんが、「世界分散=絶対に儲かる」ではありません。

🤔 まとめ:オルカンだから安心、に偏りすぎない
オルカンは世界中の株式に分散できる優れた投資商品ですが、「買っていれば安定して増え続ける」と考えるのは少し違います。
中東問題が発生して以降、オルカンも上げ下げを繰り返し、ほぼ値段が動かない状況が続いています。これが長期化すれば、インフレに負けて実質的な資産価値が減る可能性もあります。
大切なのは名目上の利益ではなく、インフレを差し引いた実質的なリターンです。
投資家として見るべきなのは「何%増えたか」だけではなく、「物価を上回っているか」。過去の株式市場の成功が、そのまま未来へつながってくれれば安心ですが、それが簡単でないことは多くのトレーダーが経験しているのではないでしょうか?
