今回は、高勝率と話題のシグナルツール「DOT.MMS」と、全自動売買EA「ワンクリックFXアローズ」を連携させ、その実力を検証していきます。
矢印に連動してトレードが実行されるため、シグナルツールの本当のパフォーマンスを把握することが可能です。 さらに、トレード終了後にはAIジャッジメントによる客観的なパフォーマンス評価も実施。
果たして、AIからの評価は“高評価”となるのでしょうか?
DOT.MMSとは?
今回使用するシグナルツールは「DOT.MMS」です。これはMT4向けの無料インジケーターで、2本のRSIをもとに買われすぎ・売られすぎを判定し、矢印で明確なエントリーサインを出すのが特徴です。主にバイナリーオプションのハイ/ロー取引やスキャルピングに活用されており、15分足以上の時間足での使用が一般的ですが、場合によっては1分足にも対応します。開発者の詳細は明らかになっていませんが、自動売買EAと連携させることでMT4上での全自動トレードにも対応可能です。
ワンクリックFXアローズの説明と設定環境
このシグナルを自動売買につなげるのが「ワンクリックFXアローズ」です。今回はMT4環境での実演で、通貨ペアはUSDJPY、時間足は1時間足を使用しています。
テスト環境の設定は以下の通りです:
- テスト期間:2023年4月〜9月
- モデル:コントロールポイント
- スプレッド:0.2pips固定
- 損切ライン・利確ライン:いずれも未設定
- トレーリングストップ:シャンデリアエグジットを採用(損切代替として10倍の設定)
- シグナルはリペイントなし:矢印が出た瞬間に即エントリー
- 逆方向の矢印でドテンエントリー
- 最大ポジション数は1(追加エントリー・両建てなし)
これらの設定により、DOT.MMSのシグナルがどの程度自動売買に活かせるのかを、実践的に検証していきます。
自動売買開始
ストラテジーテスターを起動し、ワンクリックFXアローズを選択します。次に、期間・通貨ペア・モデルを設定し、ビジュアルモードでテストを開始します。
チャートが動き出すと、DOT.MMSインジケーターも表示され、シグナルに応じて矢印が現れます。まずは、シグナルに連動して正常にエントリーが行われるかを確認します。
矢印が表示されると自動的にエントリーが実行され、逆方向の矢印が出たタイミングで決済と同時にドテンエントリーが行われます。
自動売買の動作が正常に確認できたため、ここからは自動停止を解除し、トレードを本格的に流していきます。
画面下部にはリアルタイムで損益グラフが表示されており、再生速度を上げた状態でもトレードの状況がひと目で分かるようになっています。
なお、最大ポジション数は1に設定されているため、同じ方向のシグナルが連続して表示されても追加エントリーは行われません。その際は、ポジション上限に達したことを示すエラーメッセージが画面左下に表示されます。
今回は約6か月間のヒストリーデータを使用しているため、動画では再生速度を上げて進行します。実際のトレード処理は、およそ6分程度で完了します。
期間終了と集計結果
6か月分のトレードが終了しました。 AIジャッジメント用のCSVファイルと出力された画像のフォルダが自動的に開きます。また、ワンクリックFXアローズが自動で集計を行い、総損益や勝率、プロフィットファクターなどの統計を画面に表示しています。
AIジャッジメント分析結果
そのAI分析結果を確認していきましょう。
Step 1:統計要約
項目 | 値 |
---|---|
トレード期間 | 2023-04-03 ~ 2023-09-29 |
総トレード数 | 116 |
総損益(円) | 1,580,400 |
勝ちトレード数・損益 | 66 回 / +4,470,700 円 |
負けトレード数・損失 | 50 回 / -2,890,300 円 |
勝率(%) | 56.90 % |
プロフィットファクター | 1.55 |
平均リスクリワード | 1.17 |
平均損益 | 13,624.14 円 |
平均pips | 63.46 pips |
最大ドローダウン | -321,600 円 / -16.91 % |
Step 2:グラフとコメント
Cumulative Profit(累積損益)
累積損益は右肩上がりで推移しており、総じて良好なトレンドが続いています。
Trade-wise Profit(トレードごとの損益)
個々のトレードでは利益と損失のばらつきが見られますが、大きな損失は限定的です。
Profit Distribution(損益分布)
分布はやや右に偏っており、利益側に厚みがあります。リスクリワード比のバランスは良好です。
Win/Loss Breakdown(勝敗内訳)
小さな勝ちが多く、大きな負けが少ない構成で、損益の安定に寄与しています。
Max Drawdown per Trade(トレードごとのDD)
ドローダウンは一定間隔で発生していますが、回復も見られます。リスク管理はおおむね良好です。
Step 3:AIジャッジメント
評価項目 | スコア | コメント |
---|---|---|
勝率安定性 | B | 勝率は一定の安定性を示していますが、改善の余地があります。 |
ボラティリティ対応力 | A | 大きな利益を狙いつつ損失を抑える運用ができています。 |
リスク管理 | A | プロフィットファクターが高く、ドローダウンも抑えられています。 |
総合評価 | A | 安定性・対応力・リスク管理の三拍子が揃った優秀なシステムです。 |
Step 4:課題と改善提案
課題 | 内容 | 改善案 |
---|---|---|
勝率の安定性に若干の波がある | 全体の勝率は50%を超えているものの、安定性には欠け、連敗による資金減少の可能性がある。 | 勝率の低下が起こるタイミングを特定し、フィルタ条件やロジックの強化を検討する。 |
最大ドローダウンの発生 | 最大ドローダウンが -321,600円 (-16.91%) と比較的大きい。 | トレーリングストップやポジションサイズ制限の導入により、リスクを動的に抑制する。 |
一部トレードでの損益振れ幅が大きい | 大きな勝ち負けが混在しており、期待値のブレが大きい。 | 平均リスクリワードを維持しつつ、極端なリスク・リワード比を避ける戦略に変更する。 |
なお、今回の結果はあくまで一つの例に過ぎません。
市場環境、シグナルの設定、期間などによって結果は大きく異なりますので、参考の一つとしてご覧ください。
