今回は、無料で配布されている人気シグナルツール「Saikix-RSI」と、全自動売買EA「ワンクリックFXアローズ」を連携させた検証動画をご紹介します。
矢印に連動してトレードが実行されるため、裁量を一切挟まず、シグナルそのもののパフォーマンスを確認することができます。また、トレード終了後には、AIジャッジメントによる客観的な分析結果もご紹介します。
Saikix-RSIとは?
「Saikix-RSI」は、サイキックス氏により無料公開されているMT4インジケーターです。RSI(相対力指数)をベースに、買われすぎ/売られすぎからの反転をシグナルとして表示するタイプのツールです。
- RSIの閾値(70/30)でシンプルに反転ポイントを検出
- 緑と赤の矢印でエントリーポイントを明確に表示
- 確定足での表示により、リペイントのリスクを低減
- アラート機能あり(ポップアップ・音声・メール通知・プッシュ通知)
- RSI期間・閾値・矢印の色や表示位置などがカスタマイズ可能
- バックテストに対応した軽量仕様
- FXのスキャルピング/デイトレードや、バイナリーオプション取引にも対応
ブログ上では使用方法・設定例・推奨時間足などが丁寧に解説されております。

今回はこのツールの矢印をトリガーに、MT4上で完全自動のエントリー・決済を実行。実際のシグナル精度と、AIによる分析結果を通じてパフォーマンスを評価していきます。
ワンクリックFXアローズの設定と検証環境
このシグナルを自動売買につなげるのが「ワンクリックFXアローズ」です。今回はMT4環境での実演で、通貨ペアはUSDJPY、時間足は15分足を使用しています。
テスト環境の設定は以下の通りです:
- 通貨ペア:USDJPY
- 時間足:15分足(M15)
- 検証期間:2017年4月5日〜5月11日
- モデル:コントロールポイント
- スプレッド:0.2pips固定
- 利確/損切ライン:未設定
- トレーリングストップ:AVG SHORT(短期平均を使用)
- シグナル即時エントリー(非リペイント)
- 逆方向矢印でドテンエントリー
- 最大ポジション数:1(追加エントリー・両建てなし)
これらの設定により、シグナルツールが発するエントリー指示のみで、裁量を挟まない自動売買が実行されます。
自動売買の実行と動画構成
ストラテジーテスターを起動し、ワンクリックFXアローズを選択します。次に、期間・通貨ペア・モデルを設定し、ビジュアルモードでテストを開始します。
チャートが動き出すと、Saikix-RSIインジケーターも表示され、シグナルに応じて矢印が現れます。まずは、シグナルに連動して正常にエントリーが行われるかを確認します。
基本的には下部のRSIのチャートが70以上、30以下となった際に矢印が表示されます。同一方向への矢印が連続で発生し、反転後の感覚も短いため、矢印が多く出現します。最大ポジションは1つにしていますので、同一方向の矢印が連続しても追加エントリーは行いません。
矢印が表示されると自動的にエントリーが実行され、逆方向の矢印が出たタイミングで決済と同時にドテンエントリーが行われます。
自動売買の動作が正常に確認できたため、ここからは自動停止を解除し、トレードを本格的に流していきます。
画面下部にはリアルタイムで損益グラフが表示されており、再生速度を上げた状態でもトレードの状況がひと目で分かるようになっています。
なお、最大ポジション数は1に設定されているため、同じ方向のシグナルが連続して表示されても追加エントリーは行われません。その際は、ポジション上限に達したことを示すエラーメッセージが画面左下に表示されます。
今回は約3週間分のヒストリーデータを使用しているため、動画では再生速度を上げて進行します。実際のトレード処理は、およそ4分程度で完了します。
期間終了と集計結果
3週間分のトレードが終了しました。 AIジャッジメント用のCSVファイルと出力された画像のフォルダが自動的に開きます。また、ワンクリックFXアローズが自動で集計を行い、総損益や勝率、プロフィットファクターなどの統計を画面に表示しています。
AIジャッジメント分析結果
そのAI分析結果を確認していきましょう。
Step 1:統計要約
- トレード期間2017-04-05 07:03:20 〜 2017-05-11 17:03:20
- 総トレード数101
- 総損益(円, 換算レートUSD→円=110.93)58,517 円
- 勝ちトレード数・損益47 件 / 493259 円
- 負けトレード数・損失54 件 / -434742 円
- 勝率(%)46.53 %
- プロフィットファクター1.13
- 平均リスクリワード(平均勝ち / 平均負け)1.30
- 平均損益(円)579 円
- 平均pips(±は方向)1.44 pips
- 最大ドローダウン(円)98,642 円
- 最大ドローダウン(%)1142.04 %
Step 2:グラフとコメント
Cumulative Profit(累積損益)
累積損益の推移です。右上がりが続くほど安定的に資産が増加しています。大きな下落はドローダウンの発生箇所を示します。
Trade-wise Profit(トレードごとの損益)
各トレードごとの損益です。連敗・連勝の塊や、大きな損益の偏りを把握できます。
Profit Distribution(損益分布)
損益分布とKDEを示しています。ピークが右側にあるほど利益優位、左側に裾が長い場合は損失の尾のリスクが強いことを示唆します。
Win/Loss Breakdown(勝敗内訳)
大勝・小勝・小負・大負の比率です。大負の比率が大きい場合は損切りルールの再検討が必要です。
Max Drawdown per Trade(トレードごとのDD)
各トレード中に発生した最大含み損(pips)の概算です。値が大きいトレードはリスク許容度に対して損切りが遠い可能性があります。
Step 3:AIジャッジメント
勝率安定性:A(週次勝率のばらつき(標準偏差=0.09)から判断しました。)
ボラティリティ対応力:A(期間ボラティリティの高低で損益中央値を比較しました。)
リスク管理:C(PF=1.13、最大DD=1142.04%と損失・利益のバランスから評価しました。)
総合評価:B
Step 4:課題と改善提案
大勝への依存度が高い
ボラティリティ適応ルールの明確化
連敗時のドローダウン拡大リスク
なお、今回の結果はあくまで一つの例に過ぎません。
市場環境、シグナルの設定、期間などによって結果は大きく異なりますので、参考の一つとしてご覧ください。
